勿忘荘(わすれなそう)

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(大学情報)工学院大学

ここでは実際に通っている人からその大学について話してもらっています。現役生ならではの声ばかりですので、一般的な大学案内では調べられない情報が少しでも得られればと思います。

 

 ① 工学院大学・先進工学部(生命化学科)

 

 ② 研究が盛んにおこなわれており、有名な理系雑誌などにも掲載されるほど注目されている。
 研究はほとんどが4年生になってからだけど、工学院大学では1年生のときから学科別で教授陣からどのような研究を行っているのかを教えてもらうことができる。内容は難しくても、入りたい研究室のめどがつけられたり、興味のある分野を知ることができたりするのがいいところ。夏休みには子供向けのイベントもあり、研究室単位で行っているため、ボランティアとして参加すれば1年生でも研究室の雰囲気などをより身近に感じることができる。
 入学してから3日間程度は、先輩たちが説明会を開いてくれて、相談したり新入生どうしで協力して問題を解く機会があったりして、自然と頼れる人ができてくる。勉強面でのサポートとしては、「学習支援センター」というものがあり、個人でも小グループでも利用できる。基礎講座などもあり、わからない教科は基礎的なことから学ぶことができる。そのほか、試験対策や勉強方法、質問受付、実験レポートの相談なども対応してくれて、これらは1年生でも利用できるので、つまずいたときに助けてもらえる場所があるのはありがたい。
 学科ごとに場所や期間が決まっているが、それぞれの学部にあわせて有意義な場所で留学ができる「ハイブリッド留学」という仕組みがある(例えば建築学部ならパリ、化学系の学部であればアメリカなど)。留学先の大学で取得した単位は卒業単位に使えるし、授業は日本語で行われるので、英語力による不安は少なく、ホームステイ先で英語の勉強にもなる。
 →1年生のときから研究室に触れる機会があるのは、見通しが立てやすいという意味でとても魅力的。学習面でのサポートが大きいようで、全部自分で解決するスタンスが主流の大学としては珍しいように思えるが、このような手厚いフォローがあるのはありがたいと言えそう。留学の仕組みもあって、やはりやりたいことがハッキリしている人にとってはチャンスが多そうだから、自分の興味とマッチするものがあれば絶好の大学と言えそう。

 

 ③ 片道2時間かけて移動しているが、電車で座れないことが多く、1時間目から疲れる。1年生は特に受講する講義が多く、最初のうちは学校に行くのが嫌になることも。実験をしたときに、レポートや実験ノートを作らなければならないが、そのときは大学の図書館を利用することになるが、家が遠いと長時間滞在するのが難しく、不便を感じる。
 入学するまで授業時間が105分ということを知らず、はじめのころは集中力がもたず、慣れないうちはしんどい。授業時間が長いということはそのぶん授業の進みも早いので、課題も含めるとついていくのが大変になる。そして、1つ1つの説明もあまり丁寧でないように思うので、授業だけでは理解するのが難しく、学習支援センターを頼る必要になる。
 →立地に関してはもちろん各自の住まいによるが、やはり片道2時間というのが、自宅から通ううえでの限度とみえる。特に、都内を通る場合、1限か2限始まりの場合はおそらく通勤ラッシュと重なる部分もあるだろうから、このあたりも学校に通うモチベーションを削ぐ理由に十分なりえそう。コロナ禍により、全面的にオンライン授業になった人は通学時間が無くなることをものすごく喜んでいることから、もしもこの先もこの形態が続くようなら、少しだけ考え方はかわってくるかもしれないので、この形の授業が来年度以降も続くのかどうかは確認しておくべきでだろう。

 

 ④ 理系大学であり、理屈や構造を理解して自分たちの生活に応用できるように組み替えることをメインにしている。「なんでこうなるのだろう?」「これはどうやっているのだろう?」といった疑問を自分たちの力で答えを発見していきたい!というなぜなにオタクさんたちにおススメ。また、工学院大学奨学金や授業料の減免など、経済的にも優しい。成績を保っていけば、授業料を減らしてくれることもある。私立の理系大学は授業料が高く、親への負担が……という理由で自分の夢を諦めかけている人にもおススメできる。
 →理系ならではの意見、という感じがしますが、とことん追求していきたい人にはおススメなようで、やはり理系を希望する場合は、うすぼんやりとした希望ではなくハッキリと分野を絞ったうえで、ピンポイントで自分のやりたい学びが提供されるかどうかを重視して大学選びをするとよさそう。もちろん、希望を叶えるために努力だけでなく結果も残さないといけないだろうから、希望通りに事が運べそうかどうかも気にしておいたほうがよさそう。

 

 ⑤ 理系でも、理学系の人にはあまりおススメできない。工学に力を入れていて、基本的には研究から何か形に残すことが目標になるので、理屈は知りたいけどものづくりにはあまり興味がない、という人は少し厳しいと思う。
 →工学院、という名前だけあって理学系よりも工学系がメインだそう。理学系の学科もあるはずなので、詳細は調べる必要はあるだろうが、在学している人がこのように感じているのだから、おそらくそういう空気ということだろう。

 

 ⑥ 通学時間はちゃんと考えよう。あと、105分は長い!2時間かけて移動し、最大5コマ続けて授業を受け、また2時間かけて帰る、そして課題に追われる。そう思うと正直言って気が引けるし、こう聞くと大学生は全然遊べないって思っちゃうけど、自分が長年抱いていた疑問の答えがわかったときはテンションが上がるので、自分の好きな教科をとことん学びつくせるのがいい。もちろん好きな教科でも難しくて嫌になったり、周りとの差を感じて落ち込んだりすることもあるけれど、「見つけた!」という体験とそのときの感覚は今でも忘れられない。大学はつまらなそう、大変そう、怖そう、と感じている人もいるかもしれないけど、一歩踏み出してしまえばたくさんの「見つけた!」に出会えるので、希望をもってたくさん悩んで志望校を決めてほしい。
 →105×5+120×2=525+240=765分=12時間45分が移動と授業だけで取られる。睡眠や食事、入浴時間などを考慮すると自由時間は約3時間程度か。これに授業の課題や実験レポートなどがからむと、確かにサークル活動やアルバイトをしている余裕なんてなさそう。さすがに毎日5コマということはないにしても、こういう時間的拘束はどこの大学に進むにしても考えておかなければならないだろう。

 それでも学びに対する意欲や、達成感、自分の欲望を満たすことに喜びを感じられ、遊ぶ時間などを犠牲にしてもいい、という意気込みがあるのか、大学生活は勉強以外の様々な活動に力を入れたいのか、それによってある程度選択肢が絞られるだろうから、今の自分の希望と、2,3年後に自分がどう思うだろうかを考えておくとよさそう。

 

 ☆まとめ
 理系はやはり研究内容とそれにかかる時間と労力をじゅうぶん考慮にいれておくべきなよう。大学に入ってみないとわからない部分が強いが、少なくともそういう覚悟であるとか想定をしておかないと、「こんなはずじゃなかった」となるのは容易に想像できる。だからこそ、本来であればOCや体験授業などに参加する機会があればいいのだろうけど、それもなかなか難しそうなので、大学のパンフレット等で写真とかカリキュラム例とかをよく見て、自分だったらどうかということを考えてみよう。