勿忘荘(わすれなそう)

勿忘荘(わすれなそう)

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(大学情報)北海道大学

① 北海道大学・文学部

 

② キャンパスが素敵。

 ふらふらとメインストリートを歩いたり、大野池とか中央ローンのベンチで本を読んだり寝たりできる。キャンパスが広いことは、遅刻しそうなときは苦しいけれど、基本的にはとても気に入っている。

 文学部に関しては、2年から研究室に入れることも大きな魅力。

 2年生に進級する時点で研究室を選ぶことになるけれど、成績は関係なしに希望の研究室に必ず所属できるところがいい。これは個人的な感想だけど、研究室に所属できたことで、大学にちゃんと自分の居場所ができた気がした。その結果、周りの人との距離が縮まったし、先輩や院生とのかかわりも増えて、いろんなことを教えてもらえたのがよかった。これが2年生のうちに経験できたのはいいことだと思う。

 学ぶ内容によって研究室の規模は様々で、史学系・哲学・考古学・芸術学系は規模が小さく、先生が3人いるのに対して、学部生は各学年で3~5人しかいない。それに対して、地域科学・社会学・映像文化論・言語学などは20~30人はいる。研究室の人が少ないことは個人的にはとても高評価だけど、それを嫌がる人もいると思う。

 →広大な敷地をいかしたキャンパスは非常に有名。4年間過ごすにあたり、建物や場所そのものの条件はやはり無視できないだろう。広すぎて移動が大変というのは国立大学ではよく聞く話で、大学によっては学校周辺を移動するための自転車を用意する人もいる。

 2年生の最初から研究室に入れるというのはなかなか珍しい。そのぶんやることは増えるのだろうけれど、大学生活の充実度合いは研究室(ゼミ)あるいは部活(サークル)の濃度によるところが大きくかかわってくると思うので、これもなかなかに魅力的。しかも成績に関係なく好きなところに入れるというのは、夢のような環境ではなかろうか。その結果、研究室によって人数差が大きく出ているのだろうけれど、そのことも織り込み済みで研究室を選べば問題ないと思うので、選択の幅が広いということで、前向きにとらえてよさそう。

 個人的にも、研究室(ゼミ)は大学における自分の居場所に十分なりえると思うので、そこに3年間属することができるのは確かな魅力に思える。

 

③ 観光客がたくさん来る。

 このご時世だとあまり当てはまらないけれど、普段は一種の観光スポットなので、大学ってなんだっけ?ってなる瞬間がたまにある。適当にやり過ごせる人なら特に気にすることはないけれど、そういう環境に不満を抱くタイプの場合、少し考えたほうがいいかも。

 →旅行ガイドにも掲載されるぐらいの観光スポットであることは周知の事実だろうか。ある漫画の舞台にもなっていて、季節に寄らず観光客が集まりがち。さすがに観光客が授業を見に来ることはないにしても、キャンパス内に常にそういう人たちがいることは把握しておこう。そして観光客は、残念ながら必ずしもマナーを守ってくれるとも限らないので、一定以上の迷惑をこうむる可能性があることも考えておく必要がありそう。

 

④ 自分のペースで生きていたい人にはおススメ。

 3年生になって思ったことだけど、必然的に一人の時間が増えるので、ゆっくりじっくりいろんなことを考える時間があるし、まわりの空気感もそれを許してくれる感じがする。偏見かもしれないけれど、「ああしなきゃ、こうしなきゃ」というプレッシャーが少ないと思う。

 →これは好みがわかれそうな観点。そういう時間も欲しいけど、そういう時間ばかりでは寂しい、という人は考え物かもしれない。ただ、昨今の大学生はとにかく忙しそうに見えるので、駆り立てられるようなプレッシャーが少ないというのは、精神安定の意味でよさそう。

 まわりの空気感がそれを許してくれる、というのはとても現役生らしい意見。北海道という土地柄によるものかはわからないけれど、こういうものが学校独自の風土ということだろう。

 

⑤ 一人でいられない人にはおススメしづらい。

 私自身を含めて、自分のまわりには、一人の時間が好きとか、その時間がないとやっていけないって人が多い。ほとんどが一人暮らしだし、これは文学部だけの話かもしれないけれど、大学内でも基本的に一人で行動する人が多い気がする。逆に、一人でいるのが嫌いな知り合いは、いつも実家に帰りたがっている。

 →④と⑤は基本的に表裏一体となるものなのか。今回は一人暮らしをしている人の話ということで、これも、そういう視点からの貴重な意見。

 特に北海道大学は一人暮らしの人が多いので、一人暮らしを考えている人はぜひ参考にしてもらいたい。個人的なイメージでは、一人暮らしの人どうしで集まりそうなものかと思ったけれど、意外とそうでもないのだろうか。

 学校内でも一人でいる人が多いというのは予想外。決して雰囲気が悪いということではなく、自ら望んでそうしている人が多いということで、自立性を高めるのにはよさそうだけど、やっぱり人恋しくなっちゃう人には残念ながら向いていないようだ。

 

 ここまでの意見は、圧倒的に理系が占める大学の中での、文学部のたった一人の見え方だということを理解して読んでほしい。

 また、これは北大に限った話ではないだろうけど、大学ってある程度、嫌だと思うものや人は、比較的簡単に遠ざけられて、好きだなって思うものや人とだけかかわっていられる環境だと思う。そんな場所って、小学校や中学校、高校にもないし、これから生きていく社会にもたぶんありえないと思っている。

 こういう環境には、良し悪しはあるだろうけど、この年齢のときに、そうやって自分を突き詰めていく時間が自分にとっては必要だったと思うし、そういう場所が得られたことも、北大はすごくよかったなと思う。

 →この記事に書かれていることは常に「個人的な見解」であるので、参考にする際はそれを前提の上でお願いします、というのは共通のお願いです。

 みんな自分の通う大学のことしかわからないので、こうしていくつかの「個人的な意見」が集まってくると、見えてくるものがあるかと思いますが、この項目のコメントはとても印象的。

 大学生の、19歳から22歳の時期を過ごすうえでの「ものの考え方」の一つの例として、多くの人に知ってもらいたいところ。大学生ってまさに、大人と子供の分岐点だと思うので、自分の周囲を取り巻く環境の調整がしやすいこの時期をどう過ごすのか、これはきっと今後の人生を大きく左右するでしょう。

 

☆まとめ

 今回は「国立大学の一人暮らしさん」ということを主眼においているけれど、やはり通学時間に関する話は出てこなかった。実際に一人暮らしを始めてみると、最初は不慣れなことが多くて戸惑うことばかりだろうが、慣れてくれば生活の一部として溶け込むことになる。それに対して、2時間以上かかる通学は慣れるどころか、数を重ねるほど苦痛にもなってくるみたいなので、大事な4年間のうち移動時間を長めに取るか、一人の時間を長めに取るかは、かなり大きな選択になりそう。

 昨今のコロナ禍で、一人でいる時間や家にいる時間が長くなりがちだし、近い将来に対面授業が減ってオンライン授業が増えるとしたら、この意見も少し意味合いが変わってくるかもしれないけれど、受験を控える高校生にも、現役の大学生にも、大学を卒業したばかりの人にも、自分を見つめなおす意味でいろいろと考えてみる機会をもらったように思える。