勿忘荘(わすれなそう)

勿忘荘(わすれなそう)

Web上で中学生・高校生向けの学習教材のダウンロード販売をしています。

(大学情報)番外編・コロナ禍の大学生活

これまで現役大学生から大学の話を聞いて、記事を作成していましたが、今回は番外編として、現在のオンライン授業中心の大学生活について聞いてみました。

大学・学部によって様々ですし、来年度はどうなるのかまったく予想はできませんが、何かの参考になればいいなと思います。

なお、いつも通りここで掲載される内容は「個人の感想」でありますので、ひとつの参考としてとらえていただければと思います。

 

①今の大学の様子

・学部によっては週1程度で対面授業があるけど、基本的にオンライン授業が多い。

・課題は小テストだったりレポートだったりが出て、ウェブ上で提出することが多い。

・実習や実験だけは大学で行い、それ以外はZoomを使った授業やオンデマンドの授業など、家で受ける。

・前期はすべてオンライン授業だったが、後期は半分以上対面授業に戻った。

→大学によって様々なようだが、基本的に今年度いっぱいはオンライン授業を取り入れている大学が多い様子。来年度は全面的に対面授業に戻るかどうかは不透明だそう。

 課題の量は多くても、授業を受けていれば十分対応できるようだが、特定の授業では何を言っているのか全然わからなくて、友だちに聞いてもわからない、ということもある様子(これに関してはオンラインだから、というわけでもないようにも思える)。

 Zoomを使ったリアルタイムの授業中に、友達とやりとりしたりする人や、画面の前からいなくなったりする人はやっぱりいるらしく、これも教室での対面授業とさほど変わらないのだろうか。

 出席の管理は、かなり曖昧なものや厳格なものまで様々で、やはり学校や講義によって異なってくるので、一般的にこういう感じ、という表現はできなさそう。

 

②オンライン授業のよいところ

・授業開始時間ギリギリまで寝られる。

・オンデマンドの場合、視聴期限内であればいつでも見られるので、時間的拘束が少ない。

・通学時間がない。

→なんだかんだ言っても「楽さ」が出てくる様子。移動時間がないし、服装に気を配ることも少ないからか、活動開始が後ろにずれ込みがち。

 時間割では毎日のように授業があっても、リアルタイムで授参加しなくてもいい(一定期間のうちに講義の映像を見ればいい)授業があるなど、平日でも休み扱いをできることもあるようで、自由に使える時間は増えているらしい。

 通学時間が1時間から2時間かかる、自宅から通っている人は軒並み移動の手間暇を省略できることを喜んでいて、人によってはこのままずっとオンラインでいい、という人も。

 ちなみに、調査に応じてくれた人たちはみなさん優秀なのか、成績というか単位の取得に関してはそれなりにうまくいっているようで、オンライン授業だからといって単位が取りにくいということはなさそう。

 

③オンライン授業のよくないところ

・大学の同級生と会えない。

・図書館に行けないときに、調べ物ができなくて課題がうまく進められなかった。

・通学定期がないので、移動時に交通費がかかる。

・大学からの連絡が遅く、身動きが取れないことが多い。

→②と表裏一体なところも多く、学校に行けないからこその弊害が挙げられている。友達に会えない、サークル活動ができない、調べ学習ができないなど、同じような意見が多数。

 課題の内容や提出方法、授業の有無、成績の出方など、大学からの情報収集で手を焼く人も多い模様。大学側もこんな状況は初めてなので、対応に苦慮しているのだろうけど、とにかく「よくわからない」ことが多く、不安になることも多い様子。

 誰に聞けばいいのかわからない、何を調べればいいのかわからないなど、現実問題として現地に行って人と接触することの必要性を改めて感じることが多かったようだ。

 

④思い描いていた大学生活と、今の違い

・授業終わりに友達と一緒に帰るとか遊びに行くとかができない。

・サークル活動や部活ができなくてつまらない。

・実習や実験がなくなり、やりたいことができでいない。

→ここではネガティブな意見が多かったのは当然と言えば当然なのだろうか。授業だけは確保されていても、それ以外の活動はほとんど制限されているので、つまらないという意見が大半。

 最近では少しずつサークル活動や実習などが解禁されているようだが、文化祭が中止になる、発表会の観客数が制限される、合宿に行けないなど、昨年までは当たり前のようにあって、かつ非常に重要なイベントが楽しめていないようで、プラスアルファがことごとくカットされているのが現実。

 また、一年生は、同級生はもちろん、先生やキャンパスにも触れられていないので、昨年との比較ではなく、想像していたものとは違うという声が多数。

 二年生以上は先輩に会えなくなり、後輩とも出会えず、ただただ就活や卒論の期限だけが迫っているようで、昨年までとのギャップに困惑を隠せない様子。

 なお、就活に関してはインターンや説明会など、一定の量はあるようで、就活がなにもできない、という現象は起きていない模様。内定の獲得具合や募集の枠などはわからないけれど、手も足も出せないわけではないというのは朗報か。

  

⑤コロナ一年目の大学生として言いたいこと

・オンラインのほうが自分のしたいことに割ける時間は多いから、自分からやりたいことを、声を上げて実行できるのであれば楽しめる。受け身だと何も始まらないので、自分から動く主体性を身につけておくと楽しめると思う。

ツイッターやインスタグラムなど、SNSを使って情報を集める習慣をつけておいたほうがいい。

・家にいて感染予防に徹するのも大事だとは思うけど、せっかくの大学生活なので、感染対策をしっかりしたうえで、積極的に行動すればよかったと思った。実際に、夏までは自粛していたけれど、周囲で外に出ている人の話を聞いて、もったいないことをしてしまったと後悔している。

→主体性と言うのがキーワードになりそう。自分からアクションを起こさないと、本当にただオンライン授業を受けて、自分一人で勉強して、課題をこなして単位を取って終わりという、外の世界に目が向けられず手を伸ばせずの大学生活になりかねない。

 大学の勉強以外にも、人と関わらなくてもできることを考えておくとよさそう。資格を取るための勉強に励んだり、アルバイトに精を出したり、車の免許を取って行動範囲を広げたりするなど、コロナ禍でもできることはあるし、今だからこそできることもたくさんあるはずなので、新しい生活様式に習って新しい大学生活を自分で開拓していく気概があるといいのかもしれない。

 また、賛否両論あるのだろうが、やはり自粛の度合いは考え物のよう。9月以降、政府の対応も含めて外出することがすこしずつ緩和されているので、大学に行かなくても外に出るようにしたほうがいいと思う、という意見は多かった。

 家でできることも、外に出ないとできないことも、いずれにせよ自分のやりたいことを考えておくべきというのは、大学を選ぶうえでの学びたいことを考えるのと同じように重要なようだ。

 

☆まとめ

 誰にとっても経験のない一年となっている2020年度ではあるけれど、やっぱり「自分で考えて自分で行動する」という姿勢はどんなときでも変わらずに重要だと思われる。

 何もしなければ何もしないで安全性は確保できるし、それでいい、というか家で自由に過ごしたいという人はもちろん積極的に外に出る必要はないだろうから、とにかく主体性をもって行動できるようにしたい。

 ただ、サークル活動やアルバイト、就活など、すべてが前例のない一年になるので、これまでの経験が生かせないという意味では、次年度以降も悩みや不安の絶えない大学生活になりそう。事前にできる準備や心構えなどもあまりないような気もするので、柔軟な対応力も必要となるのだろうか。

 最後がなんとなく暗い感じになってしまったけれど、多くの人は自分なりの楽しさを見出して生活することはできているようなので、受験生は特に明るい未来を思い描いてがんばってほしいところ。