勿忘荘(わすれなそう)

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(受験生向け)過去問の取り組みについて・前編

 6、7月くらいから本屋さんに少しずつ昨年度の入試問題が置かれるようになります。

 こうなると「過去問っていつから始めればいいのか」という話題が自然と浮上します。

 

 意識が高い人はすぐにでも始めて研究をしたがります。それは決して悪いことではないのですが、実際に本格的に取り組むには夏の段階ではまだ早いかなと思っています。

 

 そこで、今回は過去問の取り組み方についてのお話です。

 夏にする話ではないような気もしますが、秋から冬にかけて半年続く話題ですので、今のうちから心得ておきましょう。

 

(中学生向け)
 公立高校の入試は、一部の独自校を除いて各都道府県で共通のものになります。

 本屋さんでも「●●県高校入試問題」のようなタイトルで、直近数年分の過去問題集が販売されています。

 私立高校の場合は学校ごとに問題が異なりますので、学校別に過去問が販売されます(ただ、学校により発売時期が異なったり、そもそも販売されなかったりするものもありますので、注意が必要です)。

 

 高校入試の場合、大半は傾向がはっきりしていて、数年分を見比べると似たような問題構成になっていることがわかります。

 したがって、対策は早く始めたほうが有利になると言えるでしょう。

 ですが、夏の段階ではまだ習っていない単元もありますので、未習部分を残した状態で過去問を取り組んでも効果は半減以下になってしまうと思います(中高一貫校に通っていたり、塾で先取り学習をしたりしている場合はこの限りではありませんが、それでも夏休み期間にやりこむ必要はないかと思います)。

 

 過去問はやはり“テスト”ですから、ちゃんと時間を計り、何も調べずに解いて、きちんと点数を出すようにするべきです。

 

 では、実際にいつやるべきかというと、以下のようなペースが望ましいと考えています。

 

 ① 夏休み中に第一志望の学校の過去問を見てみる
 →いきなり話が違うじゃないかと思われるかもしれませんが、夏はあくまでも「見る」だけです。解く必要はありません。ひと通り眺めてどんな問題があるのかを把握してほしいのです。

 教科によってはこの時点ですでに解ける問題がたくさんある場合もあるでしょうから、試しに解いてみても差し支えありませんが、いずれにせよ1回分お試しに、という感覚でいいです。

 大切なのは「敵を知る」ということです。どんな問題が出るのかをなんとなくでもわかっていれば、その後の勉強の意識も変わってくるでしょうから、今後のモチベーション維持のためにも、一度問題は見ておくべきです。

 

 問題を把握するといっても、解くわけじゃありませんから難易度や解法を調べるというわけではありません。

 問題数や配点、出題の形式などを見てほしいのです。

 配点に関しては「知識問題が多いのか」「作文やリスニング問題の配点が高いのか」などをチェックしましょう。

 配点が高い分野があればそこを重点的に取り組むべきですし、逆に配点が低かったりほとんど出題されなかったりするようであれば対策は不要とも言えるでしょうから、これは調べておくべきです。

 

 次に出題形式ですが、これは地域によりかなり差があります。その中でも、「記述問題が多いのか、記号による選択問題が多いのか」は必ずチェックしましょう。

 どうしても記述問題のほうが生徒は苦戦しますし、配点も高くなりがちなので、そこの比重により秋以降の対策するべきポイントも変わってきます。

 あとは各自が目指す学校によって目標とする点数が変わるので、取るべき問題も変わりますが、この時期はそこを気にする必要はないでしょう。

 

 ② 全範囲を学習し終えた段階で最新1回分を解く
 →入試問題に向き合える状態になったら一度解いてみましょう。これは人により時期が異なるでしょうけど、遅くても冬休み期間にはこなしておきたいです。

 私立高校の入試は早いところでは1月の上旬に始まりますので、できれば年内に全範囲の学習を一通り終わらせておきたいのです。

 ここでも「とりあえず1回お試しでやってみる」というつもりでいいでしょう。目的としては現状の立ち位置を知ることですから、何ができて何ができないのかが把握できればそれでいいと思います。

 

 ③入試1ヶ月前から本格的に1周目を解き始める
 →②と時期が重なる場合は同時進行となりますが、1ヶ月前というのはあくまでも目安です。

 ここで言いたいのはとにかく「過去問は直前までとっておく」という作戦は避けましょう、ということです。

 気持ちはわからないこともないですが、もったいないから、本番前の最終チェックとして使いたいからという人は毎年少なからずいますが、それは別に2周目でも3周目でもいいと思いますので、とりあえず手に入る分は必ず前もってやっておいてほしいのです。

 

 ④入試直前の1~2週間前は類題と弱点の補強に充てる
 →過去問は直前に、を避けてほしい理由はこれです。

 過去問はあくまでも過去問ですから、言ってしまえば次の入試では出ません。ですから、過去問と似たような問題で練習を積んでほしいのです。

 過去問をこなしていくうちに、出題の傾向や自分が苦手とする分野がわかってきているはずですから、1周目で間違えたところを2周、3周と取り組みつつ、自分が苦手としている部分を補っていきましょう。

 「こういう問題が出たらまずい」と思うところを重点的に取り組んでほしいのです。

 そして、可能であれば自分の志望校にあわせて入試で取るべき点数を把握して、「確実に取らなきゃいけない問題」と「対策して取りに行く問題」と「捨ててもいい問題」の仕分けをしましょう。

 これは一人ではなかなか難しいかもしれないので、学校や塾の先生に聞くとよいでしょう。

 

 以上が中学生向けの過去問を取り組むうえで気にしてほしいことになります。

 後編は高校生向けです。中学生向けの部分と重なる部分もありますが、高校生ならではの部分を重点的にお伝えしていきます。