勿忘荘(わすれなそう)

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(受験生向け)過去問の取り組みについて・後編

 過去問について、後編になります。

 こちらは高校生向けですが、もちろん中学生にも目を通してほしいですし、高校生にも前編は見ておいてもらいたいので、前編が未読の方はぜひ先にそちらをご確認ください。

 

(高校生向け)
 大学入試は共通テスト(旧センター試験)と個別入試(いわゆる赤本・青本)で区別していきます。

 高校入試と違ってなかなか「みんなで同じような動き」が取りづらいので、あくまでも一例という感じになりますが、ぜひ参考にしてください。

 

 ①夏休み中に共通テストと第一志望の学校の過去問を見てみる。
 →ここの意味合いはほとんど中学生向けのそれと同じです。ただ、内容は少し違いまして、高校生の場合は国数英と理社で扱いが異なります。

 共通テストであれば国数英はこの段階ですべての問題に取り組むことができるでしょうし、理社(と数Ⅲ。ここから数Ⅲの表記は省略)は学校で習っていない部分もあるでしょうから、この段階では国数英の3科目だけでもいいかもしれません。

 どちらにせよ、この段階ではどんな問題なのかを把握するだけでいいので、点数が取れるかどうかは二の次です。

 

 ②2学期は過去問を重点的に取り組む
 →高校受験と違って大学受験は冬休みになってから過去問を開始するのでは到底間に合いません。

 問題の難易度や範囲の広さ、受ける学校数による対策すべき過去問の数が高校受験とは比になりません。したがって、2学期の4ヶ月をかけて過去問1周分を少しずつ進めていきたいのです。その進め方は以下の通りになります。

 

 9・10月=共通テストの国数英を最低でも3年分、できれば5年分 
 11・12月=受ける予定の大学の国数英を最低でも1年分、できれば3年分、共通テストの理社を最低でも3年分、できれば5年分 

 

 →高校の学習進度として、11月くらいに理社が習い終わるケースが多いです。

 それを待って理社の過去問をスタートさせたいので、逆算するように国数英の過去問は前倒して進めておきたいのです。

 なお、2021年入試からセンター試験が変わりますので、それの過去問をやってもあまり意味がないのでは、という意見もあるでしょうけど、何から何まで一新されるわけではないですし、少なくとも新しい共通テストの過去問はありませんので(サンプル問題や予備校が作成した模擬試験はありますが)、やはり練習するなら既存のセンター試験の過去問しかないと思います(それでなくてもセンター試験は良問が多いですから、教材としてもおススメできます)。

 2学期は過去問と模試の復習を通して実践力を身に付けつつ、弱点分野の補充を行っていきましょう。

 同時進行で理社は新しく習う内容を頭に入れなくてはいけませんので、とにかく時間が足りなくなります。

 なので、2学期まるまるを使って過去問を一通り終わらせるくらいのつもりじゃないと、冬休み以降にとてもじゃないですけど手が回らなくなります。

 

 ③冬休みは共通テストの過去問に専念する
 →冬休みは共通テストの3~4週間前となります。ここで共通テスト(センター試験)の過去問を5~10年分取り組みましょう。

 国数英は2周目となる部分もあるでしょうけど、秋に解いたときとは感覚も点数も全然違うはずですので気にしなくていいでしょう。

 また、大学受験は対策するべきことがとても多いので、なかなか2周目・3周目を取り組む余裕はありません。したがって、1周で終わってもいいように、解いた後の復習や解き直しには相当な力を入れてください。

 目安としては解く時間と復習の時間がイコールとなるくらいがいいです(たまに採点して間違えたところの解説をサラッと読むだけの数分で復習を終える人がいますが、これは非常によくないです)。

 

 また、国立大学を目指すかどうかで共通テストの意味合いが変わりますが、私立大学の共通テスト利用入試で合格を一つは確保したいですから、決して疎かにはできません。

 あとは人によって科目数が違うので所要時間も異なるでしょうから、共通テストの比重が比較的小さい人は早めに切り上げて私立大学の過去問に取り掛かってもいいでしょう。

 

 ④共通テストが終わり次第、個別試験の過去問を進める
 →私大の一般入試は早いところでは1月下旬から始まりますので、共通テストが終わってから私大の個別一般入試が始まるまで最短で10日くらいしかありません。

 共通テストの対策と私大の対策を同時進めるのはなかなか難しいですので、共通テスト終了後に初めて私大の過去問を見た、ということになったらさすがに恐ろしいですよね。

 だから②に書いた通り2学期のうちに少しずつ進めておきたいのです(ここを読んでもらえれば逆算して早めに始めるべき、というのが伝わりやすいですかね)。

 

 私大は少ない人でも2~3校、多い人では8~10校くらい受ける人もいるでしょう。

 少ない人は全部やってもいいでしょうけど、多い人でもやはり3~5校分が限界だと思います。

 そこで、優先度合としては志望順位の上位3~5校に絞っていいと思います。

 志望順位が低い滑り止めの学校で、確実に合格を取りたいところはとりあえず一回分解いて、それで合格点が取れそうならその一回限りでいいでしょう。

 逆に、滑り止めのつもりの学校の過去問で苦戦してしまうようでは、上位の学校の分量を減らしてでも確実な抑えを確保するべきです。

 これらのさじ加減を1月下旬に調整するのではやはりリスクが高いので、少なくともどんな問題が出されるのかは2学期のうちに把握しておきたいです。

 

 国立大学の過去問は私立が終わってから一気にラストスパートをかけるように進めましょう。

 私大入試の日程によっては空き日が少ないかもしれませんが、多くの人は2月中旬に私大入試が終わるはずですので、残すところは国立のみ、という状態で1週間くらいは確保できる人が多いです(あるいはそういう勉強計画を念頭に入れて受験計画を立ててもいいかもしれません。このあたりは別記事「受験校の決め方」参照)。

 難関私大は二月下旬まで試験がありますが、その場合は同時並行で進めていくしかないでしょう。少なくともどちらかに専念するのはおススメできません。

 そうなってしまうのならば、事前に想定したうえで受験作戦を変えるべきですから、これもやはり年内までの取り組みが重要になっていきます。

 

 以上が高校生向けの話になります。

 こうして見てみるとやはり高校受験と大学受験は全然違うように見えます。

 とにかく大学受験は時間が足りません。現役で第一志望に合格できる人が少ないのも、浪人してでも第一志望を目指す人が多いのもうなずけます。

 それでも、常に「今年の受験が最後」のつもりで取り組んでもらえればと思いますし、浪人してがんばればなんとかなるだろうっていう考えでも、たいていがなんとかなりませんので、そういう覚悟を持って大学受験に挑んでもらえればと思います。


 というわけで、長くなりましたが過去問の取り組みについてでした。

 先を見据えたうえで夏を過ごすのと何も考えずにがむしゃらになるのとではどうしても効率の良さが変わってきますので、見通しを立てるのに少しでも役立てれば幸いです。