勿忘荘(わすれなそう)

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(高校生向け)模試の活用法・後編

(つづき)

 模試の活用法の後編です。前編を読んでいなくても問題ないですが、できればセットで読んでもらいたいと思います。

 今回は志望校判定やその他の重要ポイントについての話です。

 

ポイント3 志望校判定について

 受験生、いや先生や保護者の方々もそうでしょうか、模試において最も注目が集まるのが志望校判定の部分だと思います。A判定なら喜んで、E判定なら落ち込む、というわかりやすい指標ですね。

 これは一目で自分の立ち位置がわかるので、注目すること自体はもちろん大切なのですが、ただ単にAからEのアルファベットだけ見てもあまり意味はありません。

 ちなみに、レベルが高い大学になればなるほどA判定やB判定は出にくくなっています。なにしろ、昨年の入試で合格した人の成績を基準に判定していますので、合格者平均に近づいてようやくC判定がもらえるくらいですので、志望者の大半がE判定を受けることになります。

 

 また、冬に向けて模試の成績表がたまっていくと、同じ大学でもいろいろな判定が集まってくると思います。例えば、10月の模試ではE判定、11月ではB判定、12月ではD判定だったとしましょう。

 また、どの予備校主催の模試かによっても判定は全然違いますから、いつも同じ判定ということはなかなかないのではないかと思います。

 この場合、この大学は合格できそうなのかどうか、判断に迷いますね。まぁ、結論から言うと、判断はできない、となるのですが。

 

 元も子もない話ですが、この判定はあくまでもその点数だったらどうなのか、という話ですので、1月や2月の結果を占うものではありません。

 したがって、A判定を取り続けていたって本番で取れなければ不合格になりますし、E判定しかつかなくても本番だけ点数が取れれば合格することはできます。

 当然と言えば当然ですけど、要するにこの判定は目安にしかならないという解釈でいてもらえればと思います。

 

ポイント4 その他、重要なチェックポイント

 志望校判定はAからEの判定よりも、C判定(最終的な目安では、C判定以上でチャンスあり、という見方が多いです)あるいはボーダーラインに届くためにはあと何点取ればいいのかを気にしましょう。

 判定よりも、自分の具体的な立ち位置のほうがよっぽど重要です。500人中300位でのE判定なのか、490位でE判定なのかは、やはり違いますからね。

 

 また、第一志望校であれば、定員以内の順位に入っているのかどうか、あるいは、あと何人抜かせば定員に入り込めるのかをチェックしてみましょう。

 定員以内に入ればかなり勝機は高まりますし、昨年の合格者数がわかれば、その数以内に入っているかどうかも気にするとよいでしょう。

 そして、併願校であれば、希望者がどれくらいいるのかをチェックすれば、倍率がどの程度になりそうか、少しだけ予想を立てることもできます。それによって、受験校を変えたり学部を変えたり増やしたりするなど、受験作戦を立て直す参考資料に十分なりえます。

 とにかく、その大学を受けるにあたっての自分の立ち位置を、大学ごとにチェックするようにしてください。

 

ポイント5 受ける前、あるいは次に向けての注意

 模試を受ける前の注意点は大きく分けて二つあります。

 まずは勉強面ですが、模試の対策というのはなかなか難しいものがあります。試験範囲があるわけではないですし、基本的に全範囲から出題されますから、予想できるものでもありません。

 したがって、模試に向けた勉強は「特定の単元(大問)でどれだけの成果が出せるか」を意識しましょう。

 前編で挙げた例であげれば、前回の模試でベクトルが弱点だとわかったので、そこを重点的に復習した結果、次の模試でどれだけ成長できたかを気にしましょう、という話です(マーク模試であれば、出題内容はだいたい同じになるはずです)。

 

 また、志望校判定でどこの大学・学部を書くのかもかなり重要です。

 第1志望から第4志望くらいまでは本当に行きたい大学で、要するに毎回同じラインナップでいいのですが、気にしてほしいのは第5志望以下、つまり滑り止めの話です。

 自分の受験計画が完全に決まっていて、模試の結果によらず変更がないのであれば、好きなように書けばいいと思いますが、そういう人は少ないと思います。

 そこでおススメしたいのは、「レベルを散らして書くこと」です。以下のようにしてほしいのです。

 

 志望順位   偏差値  判定

   5   57.5   E

   6   52.5   D

   7   50.0   C

   8   47.5   B

   9   42.5   A  ※自分の偏差値は50程度とします。

 

 これはかなり極端で、わかりやすくするための表現ではありますが、要するに判定でAからEがそろうようにしてほしいのです。こうすることで、どの偏差値帯なら安心できるのかが見えてきます。

 逆に、似たようなレベル(今回で言えば偏差値50~55程度でしょうか)ばかりを並べると、全部似たような判定(だいたいDかE)になって、参考資料としての効果が薄くなってしまいます。

 秋から冬にかけていくつもの模試を受けることになるでしょうから、志望順位が下のほうに関しては毎回少しずつ志望校のラインナップを変えてしまってもいいと思います。

 これはあくまで、滑り止めの学校を選ぶうえでの重要ポイントです。たくさんのデータを集めて、効率よく無駄のない受験作戦を立てるため、参考資料を増やす工夫をしていきましょう。

 

 長くなりましたが、以上が大学受験における模試に関する話でした。大学受験に臨む受験生にとって、10月の模試(結果の返却は11月)からは、受験校を決めるうえで非常に重要なものになります。

 また、夏から秋に向けて、学校や予備校での三者面談や、親子で話し合いの機会を設ける時期にもなりますので、今回の記事の内容を少しでも気にしてもらえればと思います。

 

 最後に、いつも通りの注釈になりますが、これはあくまでも個人的な見解と言いますか、私が大学受験を指導するにあたり意識していたことですので、必ずしも正しいとは限りません。

 自分のことをよく知る学校の先生や予備校の職員、保護者の方とよく話し合って決めることが重要ですので、これはひとつの参考程度にしてもらえればと思います。