勿忘荘(わすれなそう)

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(高校生向け)共通テストの心構え

 1月15日(土)・16日(日)に「大学入学共通テスト」が行われます。

 センター試験から変更されてまだ2回目の試験になるので、どのような形になるのか読めない部分が多いですが、立ち向かう受験生にとっては自分自身の努力の成果を発揮する舞台であることに変わりはないので、今回はそれに向けた心構えについてお話します。

 前回までの別記事「受験の心得」と重複する部分もありますが、今回は共通テストに限定して話を進めていくことにします。

 

1.前日の心構え 

 大学受験において最も重要でかつ多くの人にとって最初の試験であるはずの共通テスト。それを控えた前日となると、精神的に不安定になるのは避けられないでしょう。

 なので、前日はできるだけ穏やかに、リラックスして過ごせるようにしましょう。そのためにできることを挙げていきますので、参考にしてください。

 

 ① 前日は早めに起きる 

 当日だけ早起きしようとするのは避けましょう。前々日は早めに寝て、前日は早めに起きる。要するに、当日と同じような睡眠時間をつくるようにしましょう。

 一般的に睡眠不足の影響は2日後に出ると言いますので、木曜日の睡眠も非常に重要になります。

 

 ② 勉強は軽めにすませ、早く寝る

 前日は新しく何かを学ぶのではなく、今までの学習を振り返る程度の勉強にすませましょう。出るかもわからない新しい知識を取り入れて得点を増やすことよりも、知っているはずの内容で点数が失わないことのほうが重要です。

 広く浅くでかまいませんので、復習に時間を費やしましょう。ただ、その時間も短めでいいと思います。今日までの自身の努力を信じましょう。

 

 ③ 持ち物チェックは明るい時間にする

 普段の生活なら寝る前に次の日の支度をするのが普通かもしれませんが、この日ばかりは昼間のうちに済ませましょう。理由は簡単で、なにか不足が見つかったときに買いに行くためです。もちろん、前日にバタバタするのではなく、1週間くらい前から準備をしておくのが望ましいですが、今はそういう話を抜きにします。

 筆記用具や時計(電池)、交通系電子マネーのチャージなどなど、考えられる限りのチェックをしましょう。なお、必要なものについては別記事「受験生の心得(前編)」で箇条書きにしています。

 

 ④ 不安になったら必ず誰かと話をしよう

 心配や不安は尽きないと思いますが、決して一人で抱え込んではいけません。家族や先生、先輩など、受験生以外の知り合いと、受験以外の話題で話をしてみましょう。

 周囲はプレッシャーをかけるようなことは言わないでしょうから、これで案外落ち着けたり気持ちを切り替えられたりするものです。

 

 

2.当日(試験時間中)の心構え 

 ① 始まる前はとにかくリラックスする

 試験会場に着いたら、具体的な点数のことは考えずに、今できるベストを尽くすことだけを考えましょう。それと、受験番号や名前など、必要事項の記入は何度も確認するといいです。

 特に選択科目の場合、自分がどの科目に回答しているのか(〇世界史 ●日本史 〇地理 など)のマークがあるはずなので、そこも忘れないようにしましょう。

 

 ② 難しいと思っても絶対に焦らないようにする

 本番はどうしたって難しく見えますし、周囲の鉛筆を走らせる音が気になります。ですが、それはみんな同じなので、自分だけが困っているはずはないと肝に銘じて、うまくいかないときこそ冷静に対応できるようにしましょう。

 特に共通テストに関しては、想定外のことは発生するものだというくらいのつもりでいたほうがいいでしょう。場合によっては、思っていたより簡単だったということもあるかもしれません。とにかく、どんなことがあっても動じない気持ちでいてもらいたいのです。

 そう言われても……と思うでしょうが、精神的な動揺は知識不足よりも大きな敗因となりえます。特に共通テスト(センター試験)は、実力を発揮しきれない人が多いです。

 できたはずの問題がなぜかできない。今まではなかったはずなのに、本番だけは時間が足りなくなる。マークミスに気付いて頭が真っ白になるなど、精神的ダメージによる失敗の前例は数えきれないほど聞いています。

 受験生を送り出す立場としては、それほど悔しいことはありません。どうか、精神状態だけは万全で挑んでもらいたいものです。

 

 ③ ペース配分は必ず守る

 自分なりの時間の使い方は決めてあるはずですから、本番でもそれに忠実に従うようにしましょう。見直しの時間も含めて、何分までは大問〇、何分になったら大問☆、△分考えてもダメなら先に進む、など、事前に立てた作戦を遂行することだけを考えましょう。

 

 ④ 会場で答え合わせは絶対にしない

 終わった直後は振り返らないようにしましょう。トイレに行ったり筆記用具の準備をしたりして、時間が余れば次の科目に備えた勉強をしましょう。周りで答え合わせをしようとしている人がいても、その会話は全力でシャットアウトしましょう。場合によっては耳栓なんかを使ってもいいかもしれません。

 

3.当日(試験後)の心構え 

 ① 1日目の振り返りはしない

 自己採点は全教科の受験が終わってからにしましょう。1日目を終えて家に帰ったら、体調を整えることと2日目の準備だけ考えましょう。

 

 ② 勝手な判断で諦めない

 1教科目でつまずいて、その先も引きずってしまった。こんな話もよく聞きます。

 ですが、ふたを開けたらその1教科目は難易度が高く、平均点がものすごく低くなっていた。手ごたえはなかったけれど、実はそんなに悪い点数ではなかったということもあります。

 結果が出るまで難易度や平均点はわかりっこないので、勝手な判断で諦めることのないようにしましょう。

 

 ③ 次を見据えて切り替える

 共通テストだけで大学受験が終わる人はまずいないでしょう。ですから、出来が良かろうが悪かろうが、終わった時点で次に目を向けましょう。

 今後に控えている私大入試や、国立二次試験は完全に別物ですから、終わった後はすぐに切り替えられるようにしましょう。

 

 

 以上が共通テスト前にお伝えしておきたいことです。

 繰り返しになりますが、共通テストはなにかと波乱が起こりやすいもので、どうしたって予測できない部分が多いですから、どうにもできないことは気にしないようにするようにしましょう。

 これを読んでくれた人が、ご自身の力を存分に発揮できることをお祈りしています。