勿忘荘(わすれなそう)

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(高校2年生向け)1年前から始める受験準備・その5

 今回は「その4」でお話した短期目標についての続きで、具体的な短期目標の作り方について考えていきます。とりあえずここでは高3・4月までの目標を例に話を進めていきます。

 

 ① 中間目標は、高3・5月の最初の全国模試で、学習した単元について結果を出すこと 

 →高3・5月に行われる模試は、いわゆる全国模試で、浪人生や中高一貫生などを含めた初めての志望校判定がなされます。したがって、ここでの自分の立ち位置によってその後の学習計画は大きく変わってくることになります。

 ただし、全国模試でいきなり志望校判定を向上させるのは簡単ではありません。高1・高2の全範囲を網羅するように復習するのはかなりの時間を要するからです。

 そこで、この模試では志望校判定ではなく、学習した単元についての達成度に注目します。ここでの結果が順調であれば、別の単元で同様の学習をいつまでに終えるかを考えればいいですし、そうでなければ学習の仕方を再検討する必要があります。

 

 それでは、高3・5月の模試までにどういった学習をすればいいか、それを具体的に考えます。そのうえで最初に取り組んでほしいのが、最新の共通テスト(旧センター試験)です。これが絶好の練習機会であり、自分の現状を把握するのにもってこいの教材となります。

 したがって、手始めに数学あるいは国語か英語のどちらか得意なほうの科目を1つ選び、そこで出題される単元の中から自分の重点課題をいくつか決めて取り組みを始めてみましょう。

 

 

 ② まずは「やるべきこと」を書き出し、そこから「やれること」を選び出す 

 →まず、自分で決めた科目について、学校の問題集を用意して、高3・5月の模試に向けて「やるべきこと」を書き出してみます。ただし、できる限り分量を広げ過ぎないようにしましょう。

 気持ちとしては「少なくともこれだけはやりたい」という最低限の量で書き出してみるのがポイントです。そういう気持ちで書き始めても十分な量になるのが普通なのです。

 しかし、これはあくまでも「やるべきこと」です。やらないよりやったほうがいいに決まっています。ですが、大事なのは「決めたことを必ずやりきり、それが身に付いたか点検すること」になります

 つまり、ここでいう取り組みには復習の時間も含めて考えるべきなのです。中間目標である全国模試までの残り日数を考えながら、「やるべきこと」の中から「やれること」に分量を絞っていきます。ここで残念ながら「やるべきなのにやれないこと」が出てきますが、それでいいのです。

 結果を出すためにはどの程度の学習が必要なのか、学習の分量における所要時間はどれくらいか、これらを点検することで次の短期目標を設定するのに役立てていきます。

 

 

 ③ 学校の勉強も最大限に活用する 

 →ここまででもまだ、短期目標のイメージがわかない人は、まずは学校の定期テストを考えてみてください。もちろん、自分が受験で使う科目のみでかまいません。

 これまでの自身の経験から、定期テストで点数を取るにはそれなりの準備が必要になることはわかっていると思います。そして、限られた時間の中で、勉強する項目を絞ることが必要なのはわかっているでしょう。これを受験勉強の一環としてきちんと取り組めばよいのです。そのために、次のことに注意してみましょう。

 

 定期テストで点数を取るためだけの勉強はしない

 ・勉強の内容を絞るときは、その場の成り行きで決めるのではなく、テスト勉強を始める前に今回の試験範囲から勉強の総量を確認して、先にやることを決める

 

 定期テストが終わってすぐに頭から抜けてしまうような勉強をしているようでは、とてもじゃないですけど大学受験は乗り越えられません。普段の学校の授業から一つでも多くの知識を習得し、それを忘れないようにすることを心がけましょう。

 そのためにも、習ったらすぐに復習して定着させるための動きが必要不可欠となりますし、そこでの成果を試すのが学校の定期テストになるわけです。

 ですから、定期テスト前に計画を立てて、必要ならやるべきことからやれることを絞り、どういう結果が出るかの点検をして、次につなげましょう。これを繰り返すことが、自然と受験勉強になるのです。

 これは「その4」でもお話しましたが、「やるべきことをやる」よりも「やれることをやりきって結果を出す」ことを意識しましょう。勉強したところだけはきちんと成果を出す。これの繰り返しが受験勉強となるのです。

 

 以上が、短期目標の具体例についてのお話でした。次で最後の予定ですが、その6では結果を出すための学習方法について話していくつもりです。