勿忘荘(わすれなそう)

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(高校生向け)受験校の決め方・その1

 大学受験では、受験校を戦略的に決めることは一生懸命勉強することと同じくらい大切です。

 中学受験や高校受験と違って、選択肢が多岐にわたり非常に多様性に富んでいることと、結果が予想しにくいという点から「まわりと同じようにすればいい」という考え方ではなかなか上手に立ち回れません。

 せっかく優秀な学力があっても、受験作戦に失敗してしまって満足のいく結果が得られないということは、残念ながらよくあります。

 もちろん、受験のメインは筆記試験による一発勝負ですから、なかなか模試等の判定通りに、戦略的に立てた計画通りに事が進むとは限らないのですが、やはり事前の受験作戦によってリスクを少しでも軽減できればと思うのです。

 そこで、ここから何回かに分けて、高校生向けに受験校の決め方についてポイントとなることをいくつか紹介してきますので、よければ参考にしていただければと思います。

 

 

(ポイント1)受験校を決めるうえで考えるべきこと 

 大学で何をしたいのか、これを考えることは言うまでもありません。

 ですが、高校生の身で将来の夢を決めるのはなかなか難しいです。専門の学部でないとなれない職業(医者なら医学部、薬剤師なら薬学部、弁護士や検察官なら法学部など)を目指す場合は迷うことなく決められるとは思いますが、そうではない人も多いと思います。

 そのため、文系ならなんとなく経済学部とか、理系ならなんとなく工学部とか、特に何もないからとりあえずこことか、そういう人も多いはずです。

 こんなふうに、勉強できる内容や偏差値だけではどうしても決め難いという人もたくさんいると思います。

 そんな場合は以下の点を考え、保護者の方や学校の先生とも相談をして、総合的に行きたい学校がいくつか挙げられたらいいと思います。

 ・通学時間(家から通えるor一人暮らしを始める)
 ・学費(国立と私立、文系と理系で大きく異なる)
 ・卒業生の進路(就職先の系統や大学院など、おおまかなものでよい)
 ・取れる資格(例えば、教員免許は教育学部以外でも取れるところは多い。ただし、種別や教科に注意)

 ・部活やサークル活動の充実具合(部活をやる場合は必須。サークルの種類や数は高校の比ではないので、すべてを調べるのは困難だが、大学生活を彩る大切な要素なので、調べられる範囲で調べよう)
 ・学校の雰囲気、施設オープンキャンパス等で、在学生がいるときに訪問できるとよい。可能ならば、図書館や研究室なども調べておこう)
 ・就職支援の充実具合(学校によって大きく差が出る。要するに、学校側の面倒見の良さ)
 ・留学やボランティアなど、課外活動の充実具合(勉強以外にも様々な取り組みをしたい人は必須)

 

 以上のような観点で大学選びを考え始めてみましょう。

 ちなみに、大学受験は受験数が非常に多く、少なくても3~5校、多ければ10校以上になる人も少なくありません。受験校は3~5校と少なくても、複数の学部を受験したり、同じ学部を複数回受験したりと、受験回数は10回以上となるケースもあります。

 とにかく、「本命とおさえが1つずつ」という受験パターンはおよそ考えられませんので、受験校選びがそれなりに難しい作業であることは念頭に入れておきましょう。

 

 次回のポイント2では、受験校の大まかなラインナップの設定のしかた、特にレベル設定と試験科目についてまとめていきます。

(つづく)