勿忘荘(わすれなそう)

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(埼玉県の方向け)北辰テストについて

 埼玉県の中学生にとって「北辰テスト」というものはとても大事な模試です。

 私立高校の入試においてこの模試の成績は非常に重要な資料であり、特に2学期の北辰テストの偏差値は合否を大きく左右します。

 

 埼玉県の私立高校受験は少し特殊で、各高校が主催する「個別相談会」に参加して自分の成績を見せます。

 その際に北辰テストの偏差値が各学校の定める基準に達していれば、合格の可能性が非常に高くなる、そういう仕組みがあります(埼玉県でも一部の学校では採用されていませんし、埼玉県外の学校でも見てくれる学校はあります)。

 そのときに、多くの学校は7月から12月の北辰テストの3教科もしくは5教科の偏差値を見ます。見方は「ベスト2の平均」を取ることが多いです。下がその例です。

 

例1

      7月 9月  10月 11月 12月

3教科  54.4 57.3 60.1  62.3  64.1  ベスト2平均 63.2

5教科  57.1 58.0 62.2  64.5  63.2  ベスト2平均 63.9

 

例2

      7月 9月  10月 11月 12月

3教科  60.8 68.4 59.9  60.2  66.7  ベスト2平均 67.6

5教科  56.2 67.1 58.6  61.7  65.2  ベスト2平均 66.6

 

 例1ではだんだん成績が上がっていて、例2はいいときと悪いときの差が激しいです。

 この場合、なんとなく例1のほうがこの先の伸びも含めて期待できそうですけど、私立高校受験では例2の成績の持ち主のほうが成績がいいという判断になります。

 そしてこの成績を持ってある学校の個別相談に行ったとします。その学校の合格基準が下のようになっていたとします。

 

A高校 進学コース 62  特進コース  65  選抜コース  68 (小数第一位を四捨五入)

 

 この場合、例1の成績では進学コースの基準しか満たさず、例2の成績ではギリギリですが選抜コースの基準を満たします。

 この結果をもって入試に挑むことになり、基準を満たせばそのコースではほぼ間違いなく合格する、と言えます。

 例1の場合は当日の試験次第で上位のコースに合格できる可能性はありますし、例2の場合は多少本番でミスしても選抜コースに合格することになるでしょう。

 

 学校によっては「3教科しか見ない」とか「11月まで」とか「四捨五入ではなく小数点は切り捨て」とか「数学または英語の偏差値も見る」といった独自の基準を設けている学校もありますし、北辰テスト以外にも中学校で実施する「校長会テスト」や「英検や漢検」、そして当然ですが「通知表」「出席日数」「部活の成績」なども評価の対象になります。

 気になる学校について、これらはできれば夏休み中に調べてみましょう(公表しているところとそうでないところがありますので、すべてがわかるとは限りませんが)。

 

 このように、埼玉県の私立高校入試は事前の個別相談でおおかたの結果が決まる傾向にあるのです。逆に言えば、個別相談に行かないと本番でどんなにがんばっても合格しない危険性があるのです。

 一発勝負でないぶん受験生にとってはありがたい仕組みだとは思いますが、基準に達しなかった場合はあきらめざるを得ないとも言えますので、賛否両論です。

 

 もちろん、基準を満たしても本番で0点を取れば不合格になるでしょうし、基準に届かなくても本番でものすごく優秀な点数を取れば合格することもあります。

 だから過去問演習は必要ですし、最後までがんばることは欠かせません。

 

 ちなみに、埼玉県の高校受験は公立志向の節が強く、私立高校はすべりどめという傾向が強いです。

 そういう意味ではこの仕組みがあっているようですが、公立高校の入試に関しては北辰テストの成績は一切評価の対象になりません。

 

 したがって、北辰テストは2学期の大事な試験で、私立入試は夏から始まっていると言っても過言ではありません。

 そして北辰テストの成績と私立高校のおさえ具合で公立高校の受験校を決める人が多いので、埼玉県の中学生の9割ほどがこのテストを受験するのも納得です。

 

 以上が北辰テストに関する基礎知識でした。

 埼玉県で高校受験を考えている中学生向けという、かなり限定した範囲での話になってしまいますが、このテストの対策問題も用意することにしましたので、興味があれば「ココナラ」のサイトをご覧ください。

 

coconala.com

 

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