勿忘荘(わすれなそう)

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(高校生向け)模試の活用法・前編

 今回は模試についてですが、全体的に高校生向けの話になります。

 まもなく大学受験における模試の重要性が高まる時期ですので、それにあわせての話です。前後編の2回にわたってお届けしますので、どうぞ参考にしてください。

 

 9月から12月にかけて、大学受験に挑戦する多くの高校生が模試を受けることになるでしょう。これは受験校を決めるうえで非常に大事なもので、今回はその模試の活用法についてのお話です。

 

 模試は主催する予備校や、マークや記述といった方式によって様々なので、それぞれの違いや特徴はありますが、ここではひとまとめに「模試」として扱っていきます。

 受ける側からすると、どうしても「点数」「偏差値」「志望校判定」もしくは「出題された問題」に目が行きがちですが、それ以外にもチェックすべきことはたくさんあります。

 「模試は受け終わった後が重要」とはよく言われますし、やはり受けっぱなしでは効果も半減されますので、そのあたりにスポットを当てていきたいと思います。

 

ポイント1 復習の仕方

 受験後に自己採点をする人は多いと思いますが、そのときは正解か不正解かだけを気にするのではなく、必ず解説をセットで読み込むようにしてください。

 そして、自分の回答が正しいプロセスで導かれていたのか、あるいはどこまでが正しくてどこから間違ってしまったのかを、丁寧に吟味しましょう。

 

 また、正解した問題はスルーしてしまう人がいますが、それらも必ずチェックしましょう。正解したとしても、正しいプロセスを踏めていたのか、それともたまたま正解していただけなのかどうかは確認してください。

 そして、ミスした問題は、今の自分でも正解できたはずなのか、もしくは今の自分ではできそうもなかったのかを気にしましょう。

 

 復習する際は、解答解説を読み込んだうえで、上記にあるような「今の自分でも正解できそう」だった問題は自力で解き直し、「今の自分では難しそう」な問題は、知識として覚えるなりメモに残すなりして、後からセルフチェックできるように記録しておきましょう。

 なお、この作業は受験後にできるだけ早く行うことが重要です。

 

ポイント2 成績表の見方

 返却された成績表においては、合計得点よりも各小問における得点率を注意深く見るようにしてください。

 おそらく問題ごとに正解率(得点率)が載っていると思いますので、「他の受験生が正解していたのに、自分ができなかった問題」をチェックして、そこの復習に徹してください。

 逆に、「ほとんどの受験生ができていない問題」は基本的に無視でいいです。

 

 学習塾で勤務していたときは、このあたりを逆にとらえている人が多いような印象でした。

 つまり、正答率が高かったのにミスしたものは「ケアレスミス」として簡単に受け流し、正答率が低すぎる問題に対して「まったくわからなかった」からここを重点的に復習しようとする人がいます。

 

 その姿勢は悪くありませんし、満点を狙うのであればそうあるべきなのですが、実際は満点を取る必要はないですし、そこに手間暇かける余裕はないように思います。

 

 また、正解率とは別に、自分の成績で極端に足を引っ張っている小問(単元)が見つかったら、そこは重点的に復習するべきです。入試直前であっても、一から復習しなおすことを考えてもいいかもしれません。

 その場合の目標は、「得意になること」ではなく「苦手でなくなる」くらいが適切でしょう。具体的な例を出せば、下のような感じです。

 

(例) 数学ⅡB       自分の得点  得点率(平均点)

    第1問(小問集合)  42/50    38.2

    第2問(微分積分) 27/50    24.1

    第3問(ベクトル)  10/50    27.6

    第4問(数列)     8/50    10.5

 

 この場合、ベクトルの復習を最優先に行いましょう。復習の度合いとしては、まずは平均点を目指しましょう。

 なお、得点そのものは数列のほうが低いですけど、平均点が低く、自分との差も小さいので、ここも復習はしておきたいですが、最優先ではないのです。

 このように、結果が出たあとにももう一度振り返る機会を持つことを意識するようにしましょう。

 

 前編はここまでです。前編はおもに勉強法に関する話となりましたが、後編では志望校判定やその他のアドバイスについての話になります。

(つづく)