(中学生向け)理科の勉強法・その3
(つづき)
理科の勉強法について、その3です。最後は理科全般の勉強法と、入試で点を取るためのポイントについてお話します。
それぞれ独立した話にはなっていますが、その1とその2を先に読んでもらうほうがいいと思いますので、まずはそちらを参照してください。
(理科全般)
ここまでは分野ごとの話でしたが、最後に理科全般についてです。
これは社会でも同じことが言えますが「教科書の読み込み」が特に重要となります。
入試問題の大半は、実験や観察をもとにして問題が構成されます。1ページを使って実験や観察の説明や図、グラフに表、結果やまとめを載せて、次のページから問題が始まる、という感じです。
ここで使われる実験の題材や実験器具などは必ず教科書に載っているものをベースに作られますので、教科書が完璧に頭に入っていれば、どの問題でも「見たことある」ものになるはずです。
そして実験結果に関しても、数字が変わるだけで仕組みや理屈は同じですから、教科書に載っている結果やまとめをしっかり把握しておけば十分に太刀打ちできるでしょう。
また、地学や生物などでも、図や資料は教科書に載っているものから出題されますので、教科書に載っている図から、各部位の名称や特徴、役割などを覚えるようにしましょう。
特に理科では様々な分類が出題されやすいので、正確に区別できるようにしましょう。
例えば、セキツイ動物の分類ではホニュウ類、鳥類、ハチュウ類、両生類、魚類の性質を覚えて区別できるようにすること、寒冷前線と温暖前線の違いを覚えて気象の変化をおさえる、などでしょうか。
その他にもたくさん「どっちがどっちだっけ?」となるような問題は多いです。このあたりが、理科の点数が上がったり下がったりしやすい原因でしょうか。
以上が理科の勉強法についてでした。
かなり長くなってしまいましたが、最後にもう一つ重要なことをお話しておきます。それは、入試で点を取ることを考えれば、理科は全範囲を完璧におさえようとするとなかなか大変ということです。
多くの地域の入試で、全範囲からは出題されません。社会も同じことが言えますが、全範囲を出そうと思ったら100問じゃすまないので、どうしたって出し切れないというのが実情です。
「独立小問集合」という各分野で一問か二問ずつ、単発の問題が出てくるものを除けば、大半が物理から1~2題、化学から1~2題、生物から1~2題、地学から1~2題という構成になっているからです。
この「独立小問」を入れればほぼ全範囲と言っていいかもしれませんが、ここでは一問一答形式だったり、簡単な図やグラフからの問題だったりが多いので、それほど苦にはならないと思います。
つまり何が言いたいかと言うと、過去問を分析してどの単元を重点的に勉強するべきかどうかをしっかり考えましょう、ということです。
自分が塾講師をしていた埼玉県を例にとれば、各分野の大問は一定の周期で出題分野が順番に出ることが多いので、「昨年出たものは出ない」という傾向があります。
つまり、昨年の入試で電気の大問が出たのなら、今年の入試では電気はメインでは出題されないと予想できる。などです。
こういうことがあるので、電気が苦手だという人がいても、おそらく今年はそれほど重要ではないから、他の部分を対策するべきという判断ができます。
これはあくまでも傾向の話ですから、絶対ではありませんし、地域によっては各分野から大問が2題のものもあるので、なかなか絞り込みづらいところもあるでしょう。
ですが、どの教科においてもすべてを完璧に覚えるというのはなかなか難しいですから、どこに時間をかけてどこで点数を稼ぐのか、どの単元に重点を置いて、どの単元を後回しにするのかなどは戦略的に考えておく必要はあると思います。
この作戦が特に重要となるのが理科になるのです。
なんでもかんでもすべて、ではなく効率よく合格点を目指すのであれば、こういう考え方も必要になってくると思いますので、ここで話させてもらいました。
冬が近づいたらもっと具体的にこのような話をするときがくるかもしれませんが、受験に向けて今からできることを少しずつ始めてほしいので、この記事を読んでなにかしらのアクションを起こしてもらえたらと思います。
ダウンロードショップでは、「独立小問集合」と「計算問題集」を用意しています。この2つを繰り返し解いて完璧に答えられるようになれば、それだけでもかなりの力になると思いますので、こちらもぜひ、一度ご覧ください。