勿忘荘(わすれなそう)

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上手な時間の使い方

 今回は勉強法でもメンタルに関することでもなく、日々の過ごし方に関する話で、時間を有効に使うために心がけてほしいことについてです。

 中学生も高校生も、部活や学校行事など、勉強以外のことに時間をかけたいと思うのが自然でしょう。できることなら睡眠時間を削って勉強することも避けたいはずです。

 勉強以外の様々なことに力を入れていく中で効率よく勉強をするためには、いかにしてすきま時間を有効活用するか、これがカギを握ると思います。

 

 これを読んでいる時点での最近の自分の毎日について、少し考えてみてください。

 次にあげる時間の中で、何気なく過ごしていて勉強に充てられそうな時間はありませんか。

 ・朝起きてから動き出すまでの時間

 ・(電車通学の人のみ)電車の中や駅のホームで過ごす時間

 ・登校してから朝の会が始まるまでの時間

 ・学校の授業と授業の間の休み時間

 ・家での食事前後の空いた時間

 ・風呂あがりや寝る前などの、のんびりとした時間

 

 これらの時間をすべて勉強に充てましょう、なんて無粋なことを言うつもりはありません。

 この中には友達や家族と話したり、一人の時間を作って落ち着いたり、絶対に欠かせないものもあるでしょう。ただ、これらの時間の中からどうにかして、1日30分の勉強時間を生み出せないか、考えてみてほしいのです。

 

 こういったすきま時間の勉強が有効と考える根拠は次の二つです。

 

 ① 習慣化しやすい

 例で挙げた上の6項目は、ほぼ毎日のように繰り返される時間ですよね。この行動に勉強を紐づけることができれば、習慣化しやすいですし、継続もしやすいでしょう。

 なにかを我慢して無理やり作る勉強時間ではないので、抵抗感なく取り組めるはずです。

 

 ② 短時間だからこその集中力に期待できる

 心理学でいうところの“締め切り効果”というものですが、上記の6項目は、大半が「あと何分くらい」という終わりの時間が決まっているものが多いです。

 この限られた時間の中で少しでも多くのことを学ぼうとすれば、それだけ集中力も高まりますし、記憶にも残りやすくなります。

 

 そして、このすきま時間で毎日30分確保できれば、1年に換算すると約180時間(0.5時間×360日)になります。

 180時間がどれくらいのものかって、なかなかピンと来ないかもしれませんが、一般的に「大学受験用の英単語帳を1冊学習するのに約50時間かかる」と言われています。

 

 何をするかは人それぞれ、各自で考えてもらえればいいと思いますが、この毎日の積み重ねがあるかないかで1ヶ月後、3ヶ月後、半年後……と、知識量に差が出ることは間違いないでしょう。

 机に向かって〇時間勉強する、という目標よりもよっぽど実行しやすいと思いますので、ぜひ取り入れてみてください。

 

 また、このようなすきま時間で取り組みやすい勉強は、次のようなものがあげられます。

 

 ・英単語、古文単語などの暗記

 ・英語や古文漢文の音読(電車内ではやめましょう)

 ・理科社会の一問一答の暗唱

 ・理科社会の資料集や地図帳、図表を読み込む

 ・数学の解説を読み込む

 

 一口に言えば、字を書かなくてもいい勉強ですね。座る必要がない、とも言えるかもしれません。目を通すだけでも、頭の中で暗唱することで定着は図れますし、何度も繰り返し取り組むことに意味があるので、毎日のすきま時間にこそ適した勉強と言えるでしょう。

 改まって「勉強しよう」と意気込むよりも圧倒的にハードルは低いでしょうから、気持ち一つで誰でも簡単に始められるはずです。そういう意味では、今回の話は受験生向けというよりは、これから受験生になる人向けかもしれません。

 

 以上が、上手な時間の使い方についてでした。

 1日10時間勉強する、そんな日を週1回作るよりも、毎日30分勉強時間を増やそう、というほうが手っ取り早いですから、気になるところから始めてみてください。