勿忘荘(わすれなそう)

勿忘荘(わすれなそう)

Web上で中学生・高校生向けの学習教材のダウンロード販売をしています。

(中学生向け)夏の目標・後編

 今回は後編で、中学3年生向けの話になります。

 1年生・2年生でも先を見据えるという意味で読んでもらえればプラスになると思いますし、3年生も前編である1年生・2年生向けの話に目は通しておいてもらいたいとは思います。

 

◎中学3年生向け 

 中学3年生、つまり受験生向けのお話です。

 ただ、1年生・2年生向けの話をふまえた上でのお話なので、ぜひそちらも読んだうえで目を通してもらえればと思います。
 受験生においても夏休み期間で重要になる科目は数学と英語になります。ただ、1年生・2年生と違ってあくまでも入試を意識した勉強を心がけましょう。

 

 数学は計算問題を確実に解けるようにすることが最優先です。

 この時期によく相談されるのは「文章題が解けない」「関数がわからない」ということなのですが、これらは夏までに完璧にしなきゃいけないかと言うと、実はそうでもありません。

 特に文章題ですが、これは難しさに対して入試での比重があまり大きくないのが特徴です。私立高校の入試では頻出ですし、難易度も高いのでここではひとまず無視しますが、公立高校では都道府県によってはほとんど出題されない地域もあるのです。

 毎年のように出題される地域もありますが、それでも1題で配点としても5~10点ぐらいとなるものが多いです。

 そして、公立高校では易しい問題も多く出されるので、多くの人が苦手という「速さ」や「割合」に関する問題は必ずしもできなきゃいけないかと言うと、そうでもないのです。

 もちろん勉強すればできるようになるとはなりますし、無視していいわけではないのですが、少なくとも夏に仕上げる必要はないと思うのです。

 

 関数に関しても、いわゆる「座標幾何」と呼ばれるグラフにからめた問題では、中3の2学期に習う「2乗に比例する関数」が出題される傾向が強いので、今はまだ入試問題に手が出せません。

 よって、関数に関しても基礎基本(比例と反比例、一次関数の式の形や、座標の使い方など)が理解できていれば問題ありません。

 面積に関する問題や座標を文字でおくことなどの応用問題は、秋から冬にかけて特化していけばいいと思うので、そのための準備段階として必要な知識だけ身に付けばいいですし、基礎基本だけならそれほど難しくはないはずですので、あまり負担に感じる必要もないでしょう。

 

 したがって、夏のうちには中2までの学習内容における計算問題とその他の一行問題、つまり入試で序盤に出題されることが多い「独立小問集合」のところを重点的に勉強してもらえれば計画的と言えるでしょう。

 


 続いて英語ですが、英語の入試問題はリスニングと英文読解、英作文がメインで、単語や文法などの知識問題の割合は小さいです。

 ですが、文法単元が身に付いていないとそのどれもでてこずってしまいますので、夏の目標は英文法をマスターすることになります。

 理想は和文英訳(日本語のみ与えられてそれを英語にすること)ができるようになることですが、これはなかなか難易度が高いです。

 よって、そこを目標としつつ整序問題(ならべかえ)で英文が書けるようになるところを目指しましょう。語群があって、そこから英文が作れるのであれば、基本は身に付いたと言えます。

 

 そのために必要な文法事項の知識に関しては、1から勉強するというよりかは、空欄補充や選択問題形式の問題を通して練習していければいいと思います。数学の計算問題と同様に、数をこなして慣れていくことが重要です。

 この時期は質より量でいいと思いますので、たくさん解いてたくさん間違えて、そこから復習して理解につなげましょう。

 


 国語に関しては1年生・2年生とほぼ同じで、3年間かけての積み重ねになりますので、文章読解の練習を増やしていきましょう。

 できれば1日1文章に触れてほしいですが、それが難しければ2日に1題、3日に1題でもかまいませんので、とにかく一定の間隔を空けないように進めていきましょう(問題集を一冊買って、それを1日で終わらせるのではなく、少しずつ進めるということ)。

 


 理科は1年生・2年生の内容を総復習するラストチャンスだと思ってください。

 2学期以降は3年生で習う単元(運動とエネルギー、イオン、遺伝、天体)に時間をかけたいので、夏のうちに中2までの内容を復習しましょう。

 手順としては、まずは一問一答形式の知識事項を確認することで、このときに実験器具の使い方や図表も照らし合わせて一緒に覚えるようにしましょう。

 その次は記述問題を含めた実践問題にチャレンジしましょう。そして計算問題はこの時期はそれほど気にしなくてもいいです。

 位置づけとしては数学の文章問題と同じような感覚です。難しいうえに入試での配点はそれほど高くないですから、これらは秋から冬にかけて少しずつ練習していきましょう。

 


 社会は歴史の暗記に時間をかけたいです。

 地理については一問一答形式による知識事項よりも地図やグラフ、資料を活用した読み取り問題(知っているか知らないかではなく、その場で読んで考える問題)が多く出題されるので、地理に関しては実践問題をいくらか解くくらいでいいと思います。

 逆に歴史は1から時間をかけてじっくり暗記作業に取り組んでもらいたいです。

 人物名や用語などの一問一答はもちろんですが、政治史を中心に縦と横のつながりを意識したいです。なお、文化史は後回しでいいと思います。頻出ですし配点の割合も一定数ありますが、覚えるべき数が多く、紛らわしいものも多くて覚えるのが大変なので、優先度は低いと思います(冬、入試直前に一気に覚えるようにすればいいと思います)。

 2学期は主に公民の学習に時間を割くことになりますので、歴史と地理は夏のうちにある程度仕上げておきたいです。

 


 以上が受験生向けの夏の目標です。

 必要な教材やおススメしたいものについては別記事「ひとり夏期講習会のご案内」あるいは、下のリンクからダウンロードショップに進んでいただき、各商品の詳細ページを参照してください。

wasurenasou.stores.jp

 夏の勉強が少しでもうまくいくように、応援していければと思っていますので、どうぞご活用ください。

 

(中学生向け)夏の目標・前編

 今回は中学生向けに、一般的な夏休み期間(7月下旬~8月下旬)のうちにやっておきたい勉強、身につけたい力についてお伝えします。

 なお、ここでお話することは、学校の宿題に何かを付け加えるとしたら、の話です。

 最優先は学校から出される課題ですので、それをこなしたうえでまだまだ余力がある、あるいはもっとがんばりたい、という気持ちがあれば、ぜひチャレンジしてください。

 今回は前編として、中学1年生・2年生向けの内容となります。


◎中学1年生・2年生向け 

 非受験学年であるうちは数学と英語の勉強を重点的にしておきましょう。なぜなら、この2教科は、3学年を通して知識事項や解法がつながっているからです。

 例えば、1年生で習う「1次方程式」が解けないと2年生で習う「連立方程式」は解けません。もちろん、その手前で習う「正負の数」や「文字式」が理解できていないと方程式の計算もできません。このように、中学数学は計算分野、関数分野、図形分野でそれぞれつながりがあるため、どこかでつまずくとそれ以降すべてがうまくいかなくなる恐れがあります。

 英語は基本ルール(1文1動詞の原則や時制)を常に意識しなければなりませんし、学年が進むにつれて扱う単語や知っておくべき熟語は増えていくばかりです。数学とはまた違った「積み重ね」が重要で、どこかでつまずいたときに、どこから修復をしていけばいいのかがわかりにくいのが特徴です。

 

 したがって、1年生と2年生は夏休み期間に「今まで習ったところは完璧にする」ことを目標にしましょう。

 ここでいう完璧とは、決して入試問題で正解できるようになることではなく、あくまでも教科書内容の理解と定着を図ることを指します。

 数学は教科書に載っている章末問題が何も見ないで解けるようになればOKですし、英語は教科書に載っている例文が日本語に訳せてかつ日本語を英語に直せるようになればOKです。

 

 気持ちとしては「3年生(受験生)になったときに困らないようにする」つもりでいてください。

 受験勉強として1年生や2年生の内容の復習をするのは当然ですが、そのときにまた1から学習しなおすようでは困るのです(中3生の多くが「中2までサボってたのがよくなかった」と反省します。毎年同じような話をしても同じような後悔をする人が後を絶たないので、これを読んでくれた人にはぜひ、そうならないように意識を高めてもらいたく思います)。

 それに、学年が進めば進むほど単純に内容が難しくなるので理解・習得するのに時間を要しますし、中3内容は学習してから入試までの期間が短いので復習する時間も少ないです。よって、中3になってから中1・中2の復習をする時間はできるだけ短縮したいのです。

 

 それでも、残念ながら人は誰でも一度覚えたとしても時間が経てば忘れてしまうものなので、一度習ったことを何度も繰り返し学習する必要があります。

 ただ、その「覚えなおし」の作業も、なるべく小刻みにするほうがいいのです。習い終わったばかりの知識量を100として、それを1年間放置したら20~30くらいまで減るとしましょう。

 それを防ぐために、2,3か月のスパン(季節・学期ごと)で復習をすることで、100あった知識が70くらいになったところから30取り返すような勉強を心がけてほしいのです。

 

 口で言うのは簡単ですが、これを実行するのがなかなか難しいです。実際、学習内容は日々更新され増えていきますので、新しく習ったことを覚えることにエネルギーを割く必要があります。

 その結果、過去に習ったことが少しずつ抜け、ほとんど忘れた状態で復習を始めることになってしまい、2周目の負担が増えるのです。

 そうならないように、今習ったことを今のうちに完璧にしてほしいですし、もちろんその後も定期的に復習作業を続けてほしいのです。

 ただ、その作業も回数を重ねるごとに楽になってくるはずなので、未来の自分を助けるために今がんばる、という気持ちで非受験学年の期間を過ごしてもらえればと思います。

 

 ちなみに、国語は「知識」と「文章読解」の区分がはっきりしていて、入試のメインは文章読解になります。

 文章読解は記号選択や書き抜き、記述などの出題形式によって必要な対策は異なりますが、これについては「これを知っていれば大丈夫」という絶対に必要な知識はありませんし「こう考えれば解ける」といった解法のテクニックもなかなか定まりません(理系科目と違ってシステム的に取り組みにくいということ)。

 ですから、受験に向けては3年間かけて少しずつ慣れていくことが重要で、短期間で習得を目指すようなものではないのです。これに関しては学校の教科書で勉強していくのは少し難しいので、本屋さんで文章読解の練習になるような教材を用意してもいいかもしれません(勿忘荘では残念ながら文章問題は用意できませんので力になれません)。

 なお、知識に関してはもちろん数学や英語と同様に積み重ねが必要ですが、どうしても入試の得点に占める割合が低い(各都道府県によって割合は異なる)ので重要度は下がります。

 

 理科と社会は単元ごとに独立しているので、中1の内容が頭に入っていないから中2の内容が理解できない、ということはほとんどありません。

 よって、数学と英語ほどこの時期の重要度は高くないのですが、入試においては重要であることに変わりはないので、これもやはり数学や英語と同様に「ここまでに習った単元は完璧にする」ことだけは意識していきましょう。

 

 以上が中学1年生・2年生向けのお話です。

 ここで提供できるおススメの教材につきましては、別記事「ひとり夏期講習会のご案内」を参照してください。

 

ひとり夏期講習のご案内

 最近は新型コロナウィルスの話題は少なくなってきた……と思っていましたが、第7波が押し寄せてきましたね。それだけでなく今年は猛暑が日本全国で心配されていて、体調の管理が難しい夏になりそうです。

 そんな世の中の変化に関わらず時間は過ぎていき、1学期が終わり夏休みが始まるということで、学生にとっては重要な時期がまもなくやってきます。部活動では佳境を迎える人もいるでしょうし、受験生にとっては非常に重要な時期に差し掛かります。こんな揺れ動く環境の中でも、安定した学習環境を用意できればと思っています。

 

 そこで、勿忘荘では家で、自分一人で取り組める「ひとり夏期講習」のご案内をします。

 学校の課題にプラスアルファしていただければと思いますし、塾や予備校に通う人でも家にいる時間を長くしたいということであれば、ぜひここで提供する教材も取り組んでいただいてよりレベルアップを図ってもらえればと思います。

 

 期間や日程は完全に各自の自由で、何をするのかも各自の必要に応じてということで、自分でカスタマイズして効率の良い学習を目指しましょう。

 ここでは学年や希望に応じていくつかのプランを提示していきますので、自分にあったものを選択していただければと思います。

 

(中学1年生・2年生向け) 

 非受験学年の方は基本的に部活動+学校の課題が優先されるべきと思いますので、提案するのは以下のものになります。

 

・「数学の一問一答」シリーズ

→学校で習った単元は必須で、余裕があれば一つ先の単元の予習までできればと思います。すべて教科書レベルで、ひと通りの問題をそろえていますし、解答・解説も充実しているので、学校の復習・予習に最適です。これさえできるようになれば当面は問題ないと考えていいでしょう。

 

・「単元別入試問題」シリーズ

→一問一答シリーズでは物足りない、という方はぜひこちらにも挑戦してみましょう。実際の入試問題を採用していますが、単元ごとに、それ以前の範囲から出題していますので、未習のものは含まれませんので、早いうちから入試問題に触れるのにうってつけです。これが余裕でこなせるようであれば、現時点での力は相当あるものと思っていいでしょう。

 

・「理科社会の一問一答」シリーズ

→受験生向けに作られているので、一部のページしか使えませんが、次年度以降にも使えますので、今のうちにできるところから始めてみるといいでしょう。

 教科書の内容をすべて網羅しているわけではなく、入試でよく出るものだけを集めていますので、効率よく復習するのに使えると思います。

 

(中学3年生向け) 

・数学の実力テスト(夏休み前)

→まずは現状を把握しましょう。

 中学2年生までに習う単元のみで構成されていますので、力試しと自分の課題を見つけるために、まずはこちらをおススメします。

 これの出来具合によって「数学の一問一答」シリーズか「単元別入試問題集」のどちらかに進めばいいと思います。

 

・入試基礎力チェックテスト

→これは12月まで毎月ひとつずつ提供するシリーズものとなりますが、五教科の総合問題ですので、「何を勉強したらいいのかわからない」という人にはぜひ挑戦してほしいものとなっています。

 これを解いて、答え合わせをして間違えたところを解き直し、周辺知識を教科書等で再確認する。この作業だけでも相当な時間がかかると思いますので、12月までに少しずつ知識を蓄えていきましょう。

 

・「理科社会の一問一答」シリーズ

→理科・地理・歴史・公民の4種類用意しています。

 入試対策の基礎固めになりますので、理社の勉強をするならまずはこれをおススメします。まだ学校で習っていない部分もあると思いますが、内容自体は教科書レベルですし、ひとことではありますが解説もありますので、予習も兼ねて全範囲を勉強しておけば今後につながると思います。

 

・「基本英単語」「重要英作文」

→単語は覚えるだけですので、これを使う必要はないかもしれませんが、重要英作文は英語が苦手な人も得意な人にも役立つ仕様となっています。まずは解答・解説を読み込んで、付録の空欄補充問題と整序問題にチャレンジしましょう。

 英語は未習部分を取り組むのは少し難しいかもしれないので、夏休みの段階では習った単元のみを徹底的に覚えこむ方法でもいいと思います。

 

(高校生向け) 

・総合演習/重要問題集

→高校生向けの教材は数学をメインにしています。基本は学校の課題と各自の受験対策になりますが、数学に関してはこの総合演習を用いて全単元を少しずつ復習してみましょう。

 これで弱点が見つかったら単元別の「重要問題集」を解いてみましょう。高校1年生や2年生でまだ習っていない単元が多い場合は、こちらでやってみたい単元だけ練習してみましょう。中学生向けの「数学の一問一答」と同様に、これらが自分一人でできるようになれば受験勉強の準備としてはまったく問題ないと言えるでしょう。

 

・単語テスト

→自身でお持ちの単語帳と掲載されているものが違うとは思いますが、エクセルファイルによる単語テストになります。

 大学受験で必要な単語をピックアップし、任意の番号を打ち込むことでその範囲の単語をランダムに出題できるようにシステムが組んであります。単語帳を見るだけでなく、テスト形式で練習したい場合はご利用ください。

 

(全学年共通) 

 「勉強の仕方」という記事でふれていますが、勉強の極意は復習にあると思います。

 今回おススメした教材も、「ただやるだけ」では期待する効果の半分も得られないと思います。解いたら必ず間違い直しと解き直しを行い、「できるようになるまで」くり返し学習しましょう。

 そのため、やりたい勉強ややるべき勉強をこなすよりも、やったものは完璧にして夏を終えようくらいの気持ちで夏を過ごしてもらいたいと思います。

 

 また、これはどちらかというと非受験学年の人におススメしたいのですが、新しいものに次々と手を出すのではなく、夏以前のものの復習にもぜひ時間をかけてください。

 つまり、1学期に行われた学校のテストや模試の復習、前の学年に学習したものをもう一度解きなおすなど、しばらく間が開いてしまった内容をもう一度見直す期間にもしてほしいのです。

 

 そして、勉強以外にも志望校を決めることとか、目標を決めることとか、そういった勉強のモチベーションにつながるような取り組みも進められたらいいと思います。

 

 以上が夏休みのおススメ教材と、それに伴う学習アドバイスになります。

 各教材の詳細は下のリンクからダウンロードショップに移っていただき、各教材の説明を見ていただければと思います。

 

wasurenasou.stores.jp

 

 すべてのがんばる学生にとって、少しでも力になれれば幸いです。体調管理に気を配りつつ、充実した夏休みが送れますように。