勿忘荘(わすれなそう)

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(中学生向け)夏の目標・前編

 今回は中学生向けに、一般的な夏休み期間(7月下旬~8月下旬)のうちにやっておきたい勉強、身につけたい力についてお伝えします。

 なお、ここでお話することは、学校の宿題に何かを付け加えるとしたら、の話です。

 最優先は学校から出される課題ですので、それをこなしたうえでまだまだ余力がある、あるいはもっとがんばりたい、という気持ちがあれば、ぜひチャレンジしてください。

 今回は前編として、中学1年生・2年生向けの内容となります。


◎中学1年生・2年生向け 

 非受験学年であるうちは数学と英語の勉強を重点的にしておきましょう。なぜなら、この2教科は、3学年を通して知識事項や解法がつながっているからです。

 例えば、1年生で習う「1次方程式」が解けないと2年生で習う「連立方程式」は解けません。もちろん、その手前で習う「正負の数」や「文字式」が理解できていないと方程式の計算もできません。このように、中学数学は計算分野、関数分野、図形分野でそれぞれつながりがあるため、どこかでつまずくとそれ以降すべてがうまくいかなくなる恐れがあります。

 英語は基本ルール(1文1動詞の原則や時制)を常に意識しなければなりませんし、学年が進むにつれて扱う単語や知っておくべき熟語は増えていくばかりです。数学とはまた違った「積み重ね」が重要で、どこかでつまずいたときに、どこから修復をしていけばいいのかがわかりにくいのが特徴です。

 

 したがって、1年生と2年生は夏休み期間に「今まで習ったところは完璧にする」ことを目標にしましょう。

 ここでいう完璧とは、決して入試問題で正解できるようになることではなく、あくまでも教科書内容の理解と定着を図ることを指します。

 数学は教科書に載っている章末問題が何も見ないで解けるようになればOKですし、英語は教科書に載っている例文が日本語に訳せてかつ日本語を英語に直せるようになればOKです。

 

 気持ちとしては「3年生(受験生)になったときに困らないようにする」つもりでいてください。

 受験勉強として1年生や2年生の内容の復習をするのは当然ですが、そのときにまた1から学習しなおすようでは困るのです(中3生の多くが「中2までサボってたのがよくなかった」と反省します。毎年同じような話をしても同じような後悔をする人が後を絶たないので、これを読んでくれた人にはぜひ、そうならないように意識を高めてもらいたく思います)。

 それに、学年が進めば進むほど単純に内容が難しくなるので理解・習得するのに時間を要しますし、中3内容は学習してから入試までの期間が短いので復習する時間も少ないです。よって、中3になってから中1・中2の復習をする時間はできるだけ短縮したいのです。

 

 それでも、残念ながら人は誰でも一度覚えたとしても時間が経てば忘れてしまうものなので、一度習ったことを何度も繰り返し学習する必要があります。

 ただ、その「覚えなおし」の作業も、なるべく小刻みにするほうがいいのです。習い終わったばかりの知識量を100として、それを1年間放置したら20~30くらいまで減るとしましょう。

 それを防ぐために、2,3か月のスパン(季節・学期ごと)で復習をすることで、100あった知識が70くらいになったところから30取り返すような勉強を心がけてほしいのです。

 

 口で言うのは簡単ですが、これを実行するのがなかなか難しいです。実際、学習内容は日々更新され増えていきますので、新しく習ったことを覚えることにエネルギーを割く必要があります。

 その結果、過去に習ったことが少しずつ抜け、ほとんど忘れた状態で復習を始めることになってしまい、2周目の負担が増えるのです。

 そうならないように、今習ったことを今のうちに完璧にしてほしいですし、もちろんその後も定期的に復習作業を続けてほしいのです。

 ただ、その作業も回数を重ねるごとに楽になってくるはずなので、未来の自分を助けるために今がんばる、という気持ちで非受験学年の期間を過ごしてもらえればと思います。

 

 ちなみに、国語は「知識」と「文章読解」の区分がはっきりしていて、入試のメインは文章読解になります。

 文章読解は記号選択や書き抜き、記述などの出題形式によって必要な対策は異なりますが、これについては「これを知っていれば大丈夫」という絶対に必要な知識はありませんし「こう考えれば解ける」といった解法のテクニックもなかなか定まりません(理系科目と違ってシステム的に取り組みにくいということ)。

 ですから、受験に向けては3年間かけて少しずつ慣れていくことが重要で、短期間で習得を目指すようなものではないのです。これに関しては学校の教科書で勉強していくのは少し難しいので、本屋さんで文章読解の練習になるような教材を用意してもいいかもしれません(勿忘荘では残念ながら文章問題は用意できませんので力になれません)。

 なお、知識に関してはもちろん数学や英語と同様に積み重ねが必要ですが、どうしても入試の得点に占める割合が低い(各都道府県によって割合は異なる)ので重要度は下がります。

 

 理科と社会は単元ごとに独立しているので、中1の内容が頭に入っていないから中2の内容が理解できない、ということはほとんどありません。

 よって、数学と英語ほどこの時期の重要度は高くないのですが、入試においては重要であることに変わりはないので、これもやはり数学や英語と同様に「ここまでに習った単元は完璧にする」ことだけは意識していきましょう。

 

 以上が中学1年生・2年生向けのお話です。

 ここで提供できるおススメの教材につきましては、別記事「ひとり夏期講習会のご案内」を参照してください。