勿忘荘(わすれなそう)

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(中学2年生向け)1年前から始める受験準備・その3

 今回はその1・その2の内容をふまえて、『中2のうちに決めておくべきこと』についてお話します。

 よって、以前の内容と重複する部分もありますが、ここまでのまとめとして読んでいただければと思います。

 なお、その3だけ読んでも差し支えないと思いますが、できれば前の記事を先に見ていただければと思います。

 

 ① 自分の弱点を明確にする 

 →国語や英語の文章読解をのぞき、知識系の分野で、今の自分が何を苦手としているのか、それを中2のうちに探しておきましょう。弱点がなければそれに越したことはないですが、もしそうであれば②でお話する内容について考えてみましょう。

 

 弱点の見つけ方ですが、基本的に学校の教科書あるいはワークを使って問題を探すことになります(すでに書きこんでしまっている場合は本屋さんで基本的な問題を扱った教材を用意してもいいでしょうけど、基本的には今持っているものを使うことをおススメします)。

 その際に、間違えることはあるでしょうが、それが弱点というわけではありません。ここでいう弱点は「まったく手も足も出ない状態」とします。つまり、習ったはずのことが完全に頭から抜けていて、一から勉強をやり直さないといけない単元を弱点とします。こういう単元がないか探しましょう。

 そのために、まずは各教科の基本問題を一通り取り組みましょう。そのときには何も見ないで解いてみて、できなければすぐに解答・解説を見て復習をしましょう

 中2のうちにできるだけ多くの単元を学習してほしいので、効率重視といいますか、あまり一つの問題に時間をかけ過ぎないようにすることもポイントです

 

 ここで気を付けてほしいのが、自分の感覚に頼らないようにすることです。これは実際の中学生を見ていてよくあることですが、「解けなかったけど答えを見たらわかったから大丈夫」という人が非常に多く、これは要注意です

 一度やった内容ですから、答えを見ればなんとなく思い出すでしょうけど、それで自分がちゃんとわかっていると勘違いしてしまっては、次に同じような問題と出会ってもなかなか安定して正解することは難しいでしょう。

 なので、自分を偽らず、できなかったものはきちんと認め、次にできるようにすることを目指してその問題に印をつけるようにしましょう。そして1年かけて弱点を一つずつ無くしていくことが受験勉強になりますので、今は自分を見つめなおす時期と言えるのです。

 

 ② 難関校を目指すかどうか決める 

 →ここでいう難関校とは、大きく分けて次の2種類です。

  A.国立大附属や開成・灘などの進学校早慶・MARCH系の附属校

  B.各地域の公立高校のトップ校

 これらを目指すのであれば、普通の学校の勉強だけでは足りないので、それ専用の準備が必要です。

 

 特にAタイプですと、学校の教科書の内容だけでは解ききれない問題が多く出題されますので、自分で独自の勉強を進めることが必要です

 具体的に言えば、英語に関しては高校1年生で習う単語や熟語は必須になりますし、数学は特別な公式や知識を使いつつ、かなり複雑な計算を限られた時間で処理できるようになる必要がありますので、専用の教材が必要になります。

 このタイプの場合、多くの人は塾や通信教育を利用することになると思いますが、基本方針としては、この時期はとにかく新規内容をどんどん進めることが目標になります。できれば中3の1学期までに中学校で習う単元はすべて終えるつもりで進めてほしいのです

 そして、私立の大学附属であれば理科社会は不要で国数英の3教科の受験になるのが基本ですから、国立や最難関私立を受験するかどうかによって勉強の総量がかなり変わってきますので、できれば私立一本に絞るのかどうかもこの時期に決めておきたいです。

 

 また、Bタイプは公立ですので、基本的に学校の教科書からはみ出ることはありません。ですが、こちらの場合でも先取りの学習は必要となります。目安としては中3の夏休みから秋くらいにかけて中学内容をすべて終えるつもりでいてほしいです

 よって、①で示した復習の徹底に加えて、中3内容の予習も可能な限り進めていきたいです。学校の教科書がまだ手元にないでしょうから、書店で教材を用意する必要がありますが、こちらの場合はあまり難易度が高いものを選ぶ必要はありません。

 まずは一周、教科書内容を知ることが重要ですので、あせることなく、まずは基本をおさえましょう。公立の場合はいかに難関校を目指すにしても、まずは教科書レベルの基本を徹底的におさえることが重要となるのです。

 なお、今後の学習の成果によって志望校が変わることもあるでしょうけれど、変更できるギリギリは中3の夏休み前だと思います。中3の夏をどう過ごすかがかなり重要になりますので、それまでに目指すべき方向性を確定させましょう。AタイプからBタイプへの移行は可能ですが、BタイプからAタイプへの移行はなかなか難しいものがあります(公立から国立は可能)。

 

 というわけで、以上が中2のうちに決めておきたいことになります。志望校に関しては中3になってからの成績次第で変わることもあるでしょうけど、少なくとも今の段階で考えるべきこととそれに応じた取り組みについての話ですので、一つの参考として捉えていただければと思います。