勿忘荘(わすれなそう)

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(高校2年生向け)1年前から始める受験準備・その3

 今回はその1・その2の内容をふまえて、『高2のうちに決めておくべきこと』についてお話します。

 よって、以前の内容と重複する部分もありますが、ここまでのまとめとして読んでいただければと思います。

 なお、その3だけ読んでも差し支えないと思いますが、できれば前の記事を先に見ていただければと思います。

 

 ① 指定校推薦の可能性があるかどうか 

 →推薦系の入試を目指すのであればなるべく早いうちから準備が必要、という話を前回までしていましたが、詳細はそちらの記事で見ていただき、今回は学校の授業の受け方について考えます。

 指定校推薦を目指すかどうかで、学校の授業について一般入試では必要のない科目の勉強の扱いが決まります。早い話が、指定校推薦を目指さないのであれば、定期テストなどに向けた学習は受験科目のみ重点的に取り組み、それ以外は赤点を取らないようにするだけでかまいません

 よくある失敗例として、学校のテストにかまけて受験勉強が遅れるというケースが目立ちます。これは特に女の子にありがちで、どうしても捨てきれない思いがあるようですが、それではなかなかうまくいきません。

 これは指定校推薦とは関係ないですが、2学期になっても学校のテスト勉強を一生懸命やっている学生がたまにいます。受験で使う科目ならいいとして、そうでないものに時間をかける必要はないのです。個人的には受験で使う科目であっても学校の定期テストはあまり重視することもないと思っています。このころには自分の志望校もだいぶ決まってきているはずですから、自分用の勉強に着手してもらいたいです。

 

 ② 数学を必要とする系統学部の志望があるかどうか 

 →文系・理系によらず、数学の勉強はかなりの時間を要します。

 理系の人はもちろんですが、文系の人でも受験で数学を使うのなら、高2のうちから受験に向けた勉強を始める必要があります。

 少なくとも高2の冬の段階ではⅠAとⅡBに学習はほとんど終わっているはずですから、受験方針確定期であるこの時期に数学の勉強を始められるかどうかで3年生になってからの勉強計画に大きな差が出ます

 文系で数学を使うパターンとしては、国公立を目指すために共通テストを受けるパターンと、社会を回避して国数英で私大を受けるパターンが存在します。どちらにしても専用の勉強をすることになりますが、数学Ⅲを使うことはないでしょうから、今からでも始められるはずです。

 ちなみに、社会は学校で全範囲の学習を終えるのは秋以降になりますので、どうしても対策が遅くなりがちです。

 よって、はじめから社会は捨てて数学を使うという作戦はアリといえばアリですが、この場合は受けられる学校や学部に制限があったり、そもそも定員が少なかったりと、数学が得点源になるからといって必ずしも有利とは限らないので、判断がなかなか難しくなります。

 これについては近くの大人に相談することをおススメします。

 

 また、高校数学は中学のものと違ってあまり積み重ねの要素がなく、単元ごとの学習がしやすいのも特徴です(例えるなら『指数・対数』を習っていなくても『ベクトル』の問題は解けますし、『ベクトル』を習っていなくても『数列』の問題は解けます)。

 よって、勉強した分だけ成果につなげやすいという特性がありますので、5月の全国模試に向けて積極的に取り組むべきです。

 

 ③ 国公立大の志望があるかどうか 

 →高3の4月からは、すべての受験科目の勉強の総量をみながら学習計画を立てることが重要になります。

 よって、4月以降に国公立大の受験を回避することになれば、その時期が遅くなればなるほど受験で使わない科目が発生することになりますので、結果として無駄な勉強が発生してしまうことになります

 志望校は高2のうちに決められないと思うかもしれませんが、国公立に関してだけはなるべく早く決めましょう。実際に受けるかどうかはさておいて、受ける覚悟があるかどうかは自分の中で決めておきましょう。

 学校の勉強もそうですが、受験科目を明確にしてするべき勉強とそうでない勉強をしっかり区別するようにしないと大学受験はなかなか難しいものになります。

 

 以上が高2のうちに決めておきたいことになります。今後の成績次第で変わることもあるでしょうけど、少なくとも今の段階で考えることだけはしておきましょう。

 進路相談をするたびに発言内容が変わる受験生も少なくないですが、それだとなかなかうまくいかないケースが目立ちますので、強い意志を持って決めてもらえればと思います。