勉強の仕方(後編)
勉強の仕方について、後編です。
学習塾で講師をしていたころの経験をもとに、復習の重要性について、引き続き考えていきます。
生徒たちは新しい問題ばかりを求め、同じ問題を何度も解くことを嫌がる傾向にあります。
学年が下になればなるほどこの傾向が強く、テストを終えて、その解き直しをしようとする人は少ないです。
大半の生徒は点数だけ気にして一喜一憂し、少数の生徒は出来なかった問題と似たような問題を解こうとします。
それはそれでもちろん必要なのですが、まずはしっかり同じ問題を解きなおすことで理解をしてほしいのです。それに、たまたま正解した問題だってあるでしょうから、模範解答と解説を読み込んで、次に同じような問題が出たときにちゃんと対応できるようにしてほしいのです。
普段からこういった復習を心がけていれば、テスト前に慌てて勉強する必要はないはずなんですよね。
忘れたころに復習したって効率が悪いですし、やるべきことがたまればたまるほどやる気だってなくなるでしょう。
それなら、何か新しいことを学習するたびに復習をし、一つ一つを丁寧に理解してから次に行く、ということを繰り返したほうが後々を考えたら楽でしょう。
一度教わった(解いた)問題が自動的にできるようになっているのであれば、定期テスト前に勉強する必要なんてまったくないでしょうし、勉強法や成績が上がらないことに悩むこともないでしょう。
そんな超人的な人は滅多にいませんし、残念ながらそこを目指すのも現実的ではありません。
こんなことは言わなくても多くの人がわかってはいるのだと思います。生徒面談をしても復習することは大事だということはすぐに伝わります。
ですが、頭ではわかっていてもなかなか実行できない、実行できても継続できない人がほとんどです。
だからきっと、成績を上げられる人と言うのは、この復習の心得をしっかり認識して、自分を律することができる人だと思うのです。
ここまでは復習の重要性をひたすら語りましたが、最後に復習の具体的な方法を一つだけ紹介します。
勉強法というのは人によって好みや向き不向きがありますので、こればかりは自分なりの活路を見出してほしいのですが、それじゃ少し無責任な気もするので、自分が学生時代にもやっていて、かつ今でも生徒たちにおススメしている復習のしかたです。
名称はなんでもいいのですが、「切り貼りノート」というものを作ります。
間違えた問題を切って、貼る。それだけです。そして「なぜ自分は間違えたのか」という記録と「正しい解き方」「必要な知識」を手書きで書き加えます。
その行為を繰り返していれば最終的には「自分が間違えた問題」だけが集まった問題とその解説集ができあがりますし、自分で書いた解法ですから頭にも入りやすいでしょう。
受験勉強の一環として、この記録を増やし、定期的にそれを読み返すのです。そして一年かけてためたものを受験会場に持っていけば、あとはそれを頼って最終チェックをするだけでいいと思います。これは「目に見える自分のがんばり」ですから、精神安定剤としての機能も果たせるでしょう。
サンプルとして「切り貼りノート」の画像を添付します(画質はあまりよくありませんが、ご了承ください)。出来上がりは人によって様々ですが、自身の見やすいように、書きやすいように作ってくれれば問題ないでしょう。
勿忘荘で提供する教材に関しては、一度ダウンロードしていただければ何度も印刷可能ですから、復習するための切り貼りもしやすくなっていますので、この作業まで含めての自主学習だと思っていただけると幸いです。