勿忘荘(わすれなそう)

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(高校生向け)受験校の決め方・その4

(つづき)

 前回は学力レベルに注目した具体的なラインナップを考えてみました。今回はその先で、試験日程や手続きといった事務的なところも含めて考えてみます。

 

(ポイント4)受験方式や日程を考える 

 これに関しては受験校を決める第二段階と言いますか、9月から12月にかけて考えることではありますので、これまでのポイント1~3をふまえて、ある程度のラインナップが固まった段階で検討してほしい事柄です。

 各大学の試験日程等が記載された「入試要項」というものが秋から冬にかけ、各大学から発信されます。

 それらが出揃ってからでないと動けませんが、ここでも気をつけなければいけないことがあります。それが受験方式や日程です。

 

 同じ学校でも学部によって試験日が異なっていたり、同じ学部でも試験が複数回用意されていたりするケースは珍しくありません。

 なので、せっかく考えた志望校なのに「試験日程が重なっていて受けられない」ということや「全部受けようとしたら5日連続で試験がある」といったことが発生する可能性があります。

 

 試験日が重なっていた場合は、どちらかを断念しなければなりません。連続日程については、一般的には「最大でも3日連続」がよく言われます。

 もちろん、生徒によって反応や言い分は様々で、「2日続くのも嫌だから、必ず空き日をつくりたい」という人もいますし、「5日連続でも全然かまわない」という人もいます。

 

 これらは各自の性格や体力面等で大きく異なるとは思いますが、やはり無理せず取り組むことを考えたら3日連続くらいに留めておくべきでしょう。

 

 これらを上手に調整するために、大学側が用意してくれる複数日程の試験や、全学部統一入試(名称は大学により異なる)を使って試験日を分散させましょう。

 ただ、日程的に受けられると言っても、試験によって合格のしやすさはかなり異なってきます。

 

 具体的に言うと、「一般試験は定員が多いけど、全学部統一入試は定員が少ない」というのが一番わかりやすいでしょう。

 日程をうまく調整できても、あまり合格が見込めない試験もあるので、この判断がなかなか難しいです(定員が少ない、あるいは倍率が異常に高い場合、「受けても無駄」とまではいかないまでも、それに近い位置づけになってしまう場合も少なくありません)。

 

 日程に関してはみんな同じように四苦八苦して考えますから、「ちょうどいい試験」は「みんなにとってちょうどいい」ので、受験者が多くなる傾向にあります。

 なので、「自分の希望する学校が人気校と試験日が重なっている」など、「自分にとって都合がいい」試験が見つかれば、そっちに期待を込めたほうがいいということも考えられます。

 

 そして、これら以外にも注意してほしいことがあります。

 受験生にとっては試験日がすべて、と考えるかもしれませんが、保護者の方や先生側からすると、「出願締切日」「合格発表日」「入学手続き締切日」も正確に把握する必要があります。

 出願締切日はもちろん守らなければなりませんが、このタイミングで受験料を払わなければならないので、必ず保護者の方と事前に打ち合わせなければなりません。

 

 合格発表日は手続き締切日との兼ね合いが重要です。というのも、ある大学の合格発表日の前に別の大学の手続き締切日が来てしまうことがあるからです。

 こうなると、結局は通わないことになった学校にもお金を納めなければならなくなることもあります。これもお金に関することですから、保護者の方に把握してもらわなければなりません。

 こういう手続き関連が原因で受験校を変更しなければならなくなる可能性もあることを念頭に入れておきましょう。


 以上が、試験日程等を考えるうえでの事務的な注意点で、受験生以外の人も含めて考えるべきことでした。

 次はより最終的な受験校の確定に向けた話をしていきます。

(つづく)