勿忘荘(わすれなそう)

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(高校2年生向け)1年前から始める受験準備・その6

 1年前から始める受験準備について、今回が最後になります。その4・その5でお話した短期目標についての続きで、結果を出すための学習をするためのポイントを確認しておきます(今回は中学生向けの「その6」と重複する部分が多いですが、受験勉強において大事なことは高校受験でも大学受験でもそれほど変わらないと認識してもらえればと思います)。

 

 ① 短期目標を作っても予定通り進まないのが普通。だけど、短期目標は必ず作ろう 

 →高校生であっても目標を作ったり計画を立てたりすることが苦手という人は少なくありません。高校3年生と一緒に目標や計画を立てていく中で感じたことですが、どうしても計画通りにうまくいかずに挫折してしまい、計画や目標がうやむやになってしまう人が多いようです

 ただ、計画通りに進まないからといって、目標を決めることをやめてしまうのはよくありません。そこで、目標を決めるうえで大事なことを一つ挙げると、目標は修正しながら達成までやりきることがポイントです

 

 どんな目標であっても、それがうまくいかないことは珍しいことではありません。体調不良や想定外の学校行事、突然の用事など、生活面で予定外の事態が発生することはままあるからです。

 それでも、短期目標の設定は欠かせません。これは「その4」の記事でも触れましたが、短期目標は学習内容の優先順位をつけるために必要ですし、学習習慣を管理するためにも必要になるのです。

 

 また、目標がなかなか達成できない人は、目標や計画のレベルが高すぎるということも考えられます

 これは「その4」や「その5」でも触れていますが、まずは「やれること」を確実に処理して、やれることが増えたら目標を上方修正していけばよいのです。この小さなステップアップを刻んでいくことがやる気を持続させるためにも必要だと思います。

 

 

 ② 部活を引退してからでは遅い 

 →人によって部活動の忙しさは大きく異なると思いますが、部活を引退したら本格的に受験勉強を頑張るというスタンスは非常に危険です。

 これまで多くの受験生を見てきましたが、部活を引退して時間が取れるようになったところで、なかなか勉強に集中できずに時間を有効活用できていない人はたくさんいます。その大半が、目標や計画をしっかり考えておらず、どう頑張ったらいいのかわからない状態にいるのです。

 

 ここでもやはり短期目標の設定が有効となります。部活をしているときから、部活を頑張るうえで自分がどこまで頑張れるかを考え、それに見合った短期目標をつくっていけばよいのです。

 部活と勉強を両立できる程度の分量でいいので、引退するまでに短期目標の作り方と、達成の仕方を把握しておくことが重要です。これができるようになっていれば、引退してからの努力が最大限の効果を発揮することにつながるのです。

 結果を出すためにはどの程度の学習が必要なのか、学習の分量における所要時間はどれくらいか、これらを点検することで次の短期目標を設定するのに役立てていきます。

 

 

 ③ 復習の仕上がりを確認 

 →ここまでですでに何度も話している気がしますが、最終的に目指してほしいのは、復習の仕上がりを自分でチェックできるようになることです。

 テストをされて初めて、自分ができていないことを把握するのではなく、短期目標を意識している段階でその定着度まで意識できるようになってほしいのです。

 今の自分に何が足りないのかを考えながら短期目標を定めているはずですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、これがなかなか簡単にはいかないのです

 

 だからこそ受験勉強を続けるのは難しいのですが、ここで大事なのが、なにもこれらをすべて一人で進めなければいけないわけではないということです

 状況にあわせて学校の先生や予備校、家族などの力を借りて自分の仕上がりをチェックしてもらうようにするなど、工夫が必要なこともあるでしょう。

 それでも、この復習の質こそが受験の結果を大きく左右することになるのは間違いないと思いますので、このあたりを肝に銘じて高校3年生になってもらえればと思います。

 

 

 以上が、長きにわたってお話した「高2のうちにしておくべきこと」でした。

 今の自分の状況を、落ち着いて時間をかけて分析し、自分と向き合うことがスタートにおいて重要だと思いますので、せっかくやるのだから「なんとなく勉強する」のではなく、しっかりと意図をもって自分のやりたいように受験勉強を進めてもらえればと思います。